「特別養子縁組」で子を授かった夫婦のリアル

新たな家族が誕生するときに起きること

今回お話を伺ったのは、石井政行さんと石井友子さん夫妻。

実は、石井さん夫妻は特別養子縁組を希望する人の多くのケースと異っている点があります。

一つは、生みの母親と面会をしていること。もう一つは、特別養子縁組という制度を早くから知っていたことです。

民間の特別養子縁組あっせん機関の一つ、一般社団法人ベビーライフに養親希望者として登録をしていた石井さん夫妻は、昨年3月に生後6日の赤ちゃんを迎えました。

ほとんど1日で必要なものをすべて揃えた

「もうすぐ生まれる子どもがいる」

そう連絡を受けてから子どもを迎えるまではあっと言う間だったと石井さん夫婦は話します。

「心の準備と必要な物などの準備は1週間で全部しました」と政行さんは言います。赤ちゃん用品店に行き、ほとんど1日で必要なものをすべて揃えたそうです。

待ちに待った子どもを家族に迎えることになると思えば、当然嬉しいはず。しかし、そこには不安もありました。生みの母親が子どもを手放す直前になって、特別養子縁組を撤回することも多いのです。

生みの母親は出産した子どもを目の前にすると、養子に出した方が良いのか、自分の手で育てていった方が良いのか、大きな葛藤を抱える場合があります。

その説明を受けた友子さんは、子どもを迎えることができるのか分からない不安を抱えながら準備をすることが苦しかったと振り返ります。

「本当に赤ちゃんがうちに来てくれるのか、不安が大きくて、期待しすぎてはいけないと何度も自分に言い聞かせました。でも赤ちゃんを迎える前提で、服やオムツや寝具を選ばないといけないので気持ちの置き所が分からない一週間でした」

特別養子縁組には、生みの親の葛藤が伴うことが多く、それ故に養親が不安を抱えることがあるのです。

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