格安インプラント広告に釣られた男性の顛末 材料、技術力、施設環境…歯科選びの留意点

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③環境整備やスタッフ

インプラント治療の埋入(まいにゅう)手術はきちんと整った環境で行うことが望ましいと思います。

できれば専用の手術室やそれに準ずるスペースを確保できているほうがいいでしょう。そういったスペースがあるということは、外科処置の頻度が高いということも予想できます。また滅菌装置もレベルの高いものが望ましく、使い捨てが徹底されていることも大切です。デンタルCTによる3次元画像での精密診断は必須です。現在はこういったデータから手術サポート器具を製作し事故のないよう安全な手術が推奨されています。

そして国家資格を持った歯科衛生士が多く在籍し、術後のサポートや治療終了後の予防メンテナンスをしっかり行う体制が整っていることも重要ですね。

この他にも留意すべきポイントはありますが、まずは以上の3点をじっくり探ってみるとその歯科医院のコンセプトが必ず見えてきます。ホームページだけではわからないので実際に来院されて、先生に質問しいろいろ話せば必ずその先生の人となりや考え方がわかるはず。

また、医院環境を直接見ればどういうコンセプトでどういうレベルの治療をしているかうかがい知ることもできるでしょう。患者からの質問や相談に面倒くさがらずに対応してくれるかどうかも大切です。

「同じ条件なら少しでも安いほうがいい……」という気持ちはわかりますが、一口にインプラント治療と言っても、「同じ条件の治療」は存在しないことがわかっていただけたら幸いです。

治療費以外にも安全面やメンテナンス体制など大切な部分があるはずです。自分の体の一部として長期間使っていくものですから、安易に決めるのではなく、納得できるまで2つや3つの歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。

今やセカンドオピニオンは当たり前の時代ですので、かかりつけの歯科医院の先生に遠慮する必要はありません。しっかり情報収集されてからじっくり検討してみてください。

梅田 和徳 医療法人社団 京和会 KU歯科クリニック 理事長

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うめだ かずのり / Kazunori Umeda

医療法人社団京和会KU歯科クリニックグループ理事長。日本歯科大学新潟生命歯学部 口腔インプラント科臨床講師。1970年、新潟県三条市生まれ。1994年、日本歯科大学を卒業後、医療法人弘進会に勤務。1996年、東京都世田谷区三軒茶屋にて梅田歯科を開院。1999年、医療法人京和会を設立しKU歯科クリニックに名称変更。2012年、臨床研修指導歯科医となり、渋谷院、世田谷院が厚生労働省認定臨床研修施設となる。現在、渋谷、青山、銀座など都内7カ所の医院の理事長として歯科治療を行い、またメタル不使用の技工所を経営しながら全国各地でセミナー・講演活動や執筆活動を行っている。著書に『インプラント治療のすべて 「インプラント」のこと、本当に知っていますか?』(幻冬舎ルネッサンス)、『歯があなたの人生を左右する ~プロが教える歯で損をしない方法~』(ゴマブックス)。

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