海外急拡大と国内成長、二兎を追うユニクロ 65歳までの社長引退を撤回、海外拡大にアクセルを踏み込む

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12年秋からは集客の起爆剤として、毎週、金土日月の「4日間連続セール」を開始。狙い通り既存店売上高は回復したものの、値引き販売の影響で採算が悪化。国内ユニクロ事業は13年8月期に前期比5.4%の減益となり、3期連続の営業減益となっている。

海外は上り調子。カギを握るのは国内ユニクロの動向だ。

グループ全体では海外ユニクロやジーユーの成長が牽引し、増収増益となったが、国内ユニクロ事業が足を引っ張り、13年8月期は期中に上方修正した業績見通しには届かなかった。

今14年8月期の店舗計画を見ても、国内店舗の純増数は直営店で年間10店程度。店舗数はあまり増えず、スクラップ&ビルドによる店舗の大型化が中心になる。

成長の軸足が海外に移る中、課題は収益基盤である国内事業の安定化だ。前期のような価格訴求は控え、今秋冬から重点展開しているシルクやカシミヤをはじめとした素材や機能性を重点的に打ち出すことで、「今期は増益にしたい」と柳井社長は意気込む。

だが、来年4月には消費増税も控え、国内の消費環境が悪化することも懸念される。ユニクロが目指す「海外の急拡大」と「国内の安定成長」の二兎を追うのは容易ではない。

(撮影:尾形 文繁)

 

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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