海外急拡大と国内成長、二兎を追うユニクロ 65歳までの社長引退を撤回、海外拡大にアクセルを踏み込む
「歓迎光臨、優衣庫上海店!(ユニクロ上海店へようこそ!)」
9月30日、グループで世界最大の店舗となるユニクロ上海店の開店には約2000人が詰め掛け、あまりの人の多さに10時の予定を前倒ししてオープンしたほどだった。
地下1階、地上5階建てのユニクロ上海店は上海市で目抜き通りとして有名な淮海路に位置し、売り場面積が約8000㎡。これまで最大だったユニクロ銀座店(約5000㎡)の1.6倍もある。巨大な売場には、低価格ブランドの「ジーユー」や過去に買収した3ブランドも集積しており、グループブランドの世界への発信拠点と位置づけている。
当日は秋冬の目玉商品であるシルクのブラウスや機能性肌着などを買い込む客であふれかえった。「ユニクロの服はとにかく品質が良い。家族みんなで着ている」(21歳・大学生)。複数の客に話を聞いてみたが、昨年9月に起きた反日デモの影響は微塵も感じさせない。
「日本の高品質、サービスにおけるおもてなしは、中国の消費者も渇望している」(潘寧・ユニクロ中国CEO)。海外ユニクロ事業は13年8月期に売上高2511億円(前年同期比64%増)、営業利益183億円(同66.8%増)と大幅に拡大した。
海外店の約半数は中国にあり、進出から11年で“高品質ブランド”のイメージ確立に成功した今、中国市場は収穫期を迎えている。
国内ユニクロは3期連続減益
一方、国内ユニクロ事業は業績が冴えない。機能性肌着「ヒートテック」が大ヒットした10年8月期以降、目立ったヒット商品にも恵まれず2期連続で既存店売上高は前年を下回った。
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