ユニクロ、“悲願達成”目前の悩み 好評「4日連続セール」に、思わぬ反動
「ユニクロ」や「ジーユー」などのカジュアル衣料品店を展開するファーストリテイリング(FR)が7月11日に発表した今年度第3四半期累計(12年9月~13年5月)決算は、売上高8858億円(前年同期比19%増)、営業利益1240億円(同4%増)の増収増益を達成した。柳井正会長兼社長が、かねてから悲願としてきた「売上高1兆円突破」は間近。だが、足元ではそれを手放しで喜びにくい状況にもある。
というのも、直近3カ月の第3四半期(13年3~5月)だけを取り出すと、売上高2709億円(前年同期比24%増)、営業利益273億円(同0.7%減)。売上高の大幅な拡大にもかかわらず、利益は伸びていないのだ。この要因を探ると、グループ売上高の約6割を稼ぐ国内ユニクロ事業の採算悪化に行き着く。
国内ユニクロは連続減益
「フリース」や、「ヒートテック」など過去に社会現象となるヒット商品をいくつも生み出し成長を遂げてきたユニクロ。だが、ここ数年は客数の減少が続き、国内ユニクロ事業は前年度までに2期連続で既存店売上高で前年割れ、連続減益と収益力の低下が続いた。
そこでユニクロが集客の起爆剤として、12年秋から始めたのが「4日連続セール」だ。従来行っていた毎週土曜、日曜の2日間のセールを金曜、月曜も含む4日間に拡大。12年8月期の決算説明会で柳井会長兼社長が今13年8月期は「プライスリーダーシップを取る」と宣言したとおり、一層の低価格路線を打ち出した。
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