長寿番組終了ラッシュが映すテレビの厳しさ 「めちゃイケ」「みなさん」が終わった意味
その他の長寿番組には、「ミュージックフェア」(フジテレビ系、放送53年)、「題名のない音楽会」(テレビ朝日系、放送53年)、「ミュージックステーション」(テレビ朝日系、放送31年)などの音楽番組。「ドラえもん」(テレビ朝日系、放送39年)、「それいけ!アンパンマン」(日本テレビ系、放送29年)、「クレヨンしんちゃん」(テレビ朝日系、放送26年)などのアニメがあります。
ただ、ここまで挙げてきたすべての長寿番組が安泰というわけではありません。放送時間を朝や深夜に変更したり、放送局をBS・CSに移動したりなど、存続させるための努力がこれまで何度も見られました。これは「終了させたくない」という作り手サイドの思い入れであり、「熱狂的な視聴者を大事にしたい」というファンサービスでもあります。
しかし、「みなさん」「めちゃイケ」のような大型番組になると、このような変更や移動は難しく、むしろ「なるほど!ザ・ワールド」「クイズ・ドレミファドン!」(ともにフジテレビ系)のように、「ときどき特番で復活させよう」というプランが現実的でしょう。
そして長寿番組をめぐる、もう1つの傾向は、「日曜日に集中している」こと。「誰だって波瀾爆笑」(日本テレビ系、放送26年)、「アッコにおまかせ!」(TBS系、放送32年)、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系、放送26年)、「NHKのど自慢」(NHK、放送65年)、「新婚さんいらっしゃい!」(テレビ朝日系、放送47年)、「噂の!東京マガジン」(TBS系、放送28年)、「パネルクイズアタック25」(テレビ朝日系、放送43年)、「ザ・ノンフィクション」(フジテレビ系、放送22年)、「笑点」(日本テレビ系、放送53年)、「ちびまる子ちゃん」(フジテレビ系、放送26年)、「サザエさん」(フジテレビ系、放送48年)、「おしゃれイズム」(日本テレビ系、放送44年)と、朝から夕方まで長寿番組が続きます。
これは日曜が家族そろってテレビを見やすい日であり、幅広い年代に視聴習慣が根付いているから。視聴者にとっては、「一番好きな番組」「絶対に見逃したくない」ではないものの、「見るとホッとする」「放送がないと寂しい」という印象のものがそろっているのではないでしょうか。
今後、月~土曜に放送されている長寿番組が不調に陥ったとき、日曜への放送時間変更が見られるかもしれません。同時にこれは、「日曜以外の曜日、特に平日の月~金曜に長寿番組を放送し続けるのは相当難しい」ということでもあるのです。
長寿番組であり続けるための必須条件
今春の長寿番組終了ラッシュが報じられたとき、寂しさを感じる人が多かった反面、「これだけ結果が出なければ仕方ない」「時代に合っていないから当然」という厳しい声も少なくありませんでした。だからこそ今、各局に求めたいのは、それらの人をもう一度、引きつけるための工夫。少しでも「まだ結果が出せるんだ」「意外に時代遅れじゃないかも」と思わせれば、厳しい風向きが変えられる可能性があるのです。
たとえば、「徹子の部屋」は低迷期があったものの、放送コンセプトを変えずに、生放送に挑んだり、「相棒」(テレビ朝日系)の杉下右京(水谷豊)を招いたり、「アメトーーク!」(テレビ朝日系)とコラボしたり、マツコ・デラックスとの特番を仕掛けたりなど、さまざまな工夫でマンネリのイメージを払拭し、事態を好転させました。
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