タワークレーンはどうやって屋上に上がるか 意外と知らない、身近にある「すごい技術」

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タワークレーンの一連の工事の流れは、①組み立て②クライミング③解体という順で行なわれる。①の「組み立て」は、足場を固める作業。次の②では、ビルの成長に合わせ、クレーンを尺取虫のようにはい上がらせていく。③の「解体」では、親亀・子亀・孫亀方式で屋上から分解していく。すなわち、ひと回り小さい子クレーンを元の親クレーンの隣に設置し、それで親クレーンを解体する。

次に、その子クレーンはさらに小さい孫クレーンを隣に設置して解体。これらを繰り返すことで、用済みのクレーンは地上に下ろされるのだ。そして、最後に残った解体用クレーンは人力で解体し、エレベーターで階下に下ろされる。

「マストクライミング」と「フロアクライミング」

尺取虫的にタワークレーンがクライミングする方法には、クレーン本体がマスト(本体を支える柱。帆船の「マスト」に見立てている)を昇る「マストクライミング」と、工事の進捗と共に工事中の鉄骨を使って土台部分を階上に上げる「フロアクライミング」がある。

前者は超高層マンション建築、後者は超高層ビル建築によく利用される。なお、電線の鉄塔を立てる際にもクレーンのクライミングが用いられる。山奥に鉄塔が立っている謎も、これで解消するはずだ。

タワークレーンの解体(イラスト:小林哲也)
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