職業寿命が短い「夜の女性」の深すぎる苦悩 辞められない・貯まらないという大問題

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また、GAPの角間さんは、「そもそも辞めるという概念がない」と性風俗産業特有の働き方に言及しました。

「なんとなくキャスト(風俗嬢)として登録して、なんとなく働いて、気づいたらいなくなっている。登録制なので、ふらっと帰ってくることができる」

「プロレスラーと風俗嬢に引退はない」と語ったノンフィクション作家の吉岡さんと同様に、角間さんは「アスリートと風俗やっている方って本当に近くて」と話します。一方でその引退時期に関しては、吉岡さんと逆の指摘をします。

「風俗が他の仕事と違うのは、職業寿命が短いということ。これって、引退が体力勝負であるスポーツ選手に近いんですよね」

業界を抜け出せない要因は

さらに、前出のノンフィクション作家・吉岡さんは、日払い制度は風俗嬢が貯金をする習慣がつかず業界を抜け出せない要因になっていると指摘しています。

「居心地が良すぎる。今日1万円使っちゃっても、どうせ明日また日払いで1万円入ってくるから。毎日貯めれば月30万円は貯まるのに、やっぱり貯めてない子は多い」

性風俗業界の「戻りやすさ」について、ホワイトハンズの坂爪さんは、同じく働き方のシステムに触れました。

「風俗って完全自由出勤で日払いっていう特徴がありますけれど、それに近いものがもっと現実世界(非性風俗・水商売業界)にあればいい」

性風俗業界は、「昼の社会」にない、女性にとって「働きやすく居心地の良い」労働環境を提供しているといえます。しかしGAPの角間さんが指摘するように、風俗嬢は「次に行かなければいけない仕事」。

貯金ができていない女性は少なくなく、それが転職に踏み切れない大きな要因の一つです。次回は、風俗嬢の多くはそもそもどうしてお金が貯められないのか、その構造を見ていきます。

【まとめ】

・風俗嬢を辞めていくタイプは、稼げない、結婚、目標達成など他に選択肢ができた人。そうしたきっかけがなかった人は、業界に残りがち。

・一度辞めても、業界に戻っていく女性も多い。

・風俗嬢の職業寿命は短い。いつ稼げなくなるかわからない職業であり、歳をとってから生計が立てられなくなってしまうことが問題視されている。

【問いかけ】

今の仕事から得ている収入が、40歳から下がるとしたらあなたはどうします(していました)か。

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「リディラバジャーナル」編集部

「リディラバジャーナル」は社会問題の現場を訪れるスタディツアーを提供しているリディラバが2018年1月に立ち上げたウェブメディア。社会問題を見続けてきたリディラバの知見をもとに、問題の背景にある社会構造まで踏み込んだ、特集形式で記事を提供する有料メディアです。

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