人気風俗「五十路マダム」で働く女性のリアル

50歳前後のキャストが意外な人気を博す理由

風俗業界では40歳を過ぎると稼げなくなると言われているが……(写真: Graphs / PIXTA)
広島を拠点とするデリヘルチェーン「カサブランカ・グループ」の代表・長谷川華さんから「すごいお店を作ったんよ、女の子もお客さんもすぐに集まった」と話を聞いたのは4~5年前のことだった。どんなお店ですか?と尋ねると、「50歳前後の女性キャストが在籍するお店」と返ってきた。それが「五十路マダム」である。
40~60代の女性が在籍するお店はそこから急成長を遂げ、現在、北は仙台から南は熊本まで20店舗を展開する。風俗業界では長らく「40歳の壁」と言われ、その年齢を過ぎると女性は途端に稼げなくなるとされてきた。しかし、ここに集まっているのは「ほかの仕事では稼げなかった」女性たちである。人生の折り返し地点を経て、身ひとつでサバイブしている彼女らは、いったいどんな半生を送ってきたのか。その実像に迫る。

20歳で結婚、すぐに介護が始まった

佐野しのぶさん(51歳、仮名)は熟年離婚をして生活に困るようになるまで、性風俗は、自分とはまったく無縁で、しかも若い女性が就く職業だと思っていた。

20歳という若さで結婚し、すぐに2児に恵まれた。職人の夫は20歳も年上だったが、円満な家庭生活を送っていた。しかしその両親は年老いていて、ほどなくして彼らの介護が始まる。夫は兄弟が多かったがほとんどが未婚で、佐野さんひとりが介護の担い手となった。

「当時は、まだ子どもが小さくて手がかかっていました。しかも下の子には障害があるので、ほかの子よりもよく見てあげなければいけなかったんです。そこに介護が加わると、毎日がてんやわんやで、あっという間に終わりましたね。夫は職人肌で、家のことは何もしない人でしたし」

義理の両親が亡くなり介護が終わったかと思えば、夫の兄弟の介護が始まり、さらに自身の両親の介護までが、佐野さんひとりにのしかかる。長男が手を離れてからは、家計の足しになればと看護助手のパートにも出た。すべての時間を家族のために捧げ、息をつく暇もなかった。そんな結婚生活を四半世紀近く続けていたが……。

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