「外貨建て保険」に潜む恐ろしい"闇"と"ワナ" 思わぬ円高で巨額の含み損を抱えた人が続出

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解約控除費用とは、「契約後、一定期間内の解約時に積立金から控除される費用」のことを言います。この保険商品の場合、「積立金に対し市場金利の変動を考慮した、独自の計算方法で導き出した金額」となっていました。証券会社が「独自の計算方法で導き出した金額」が費用として差し引かれるというわけです。

しかも、相川さんは、やはりもう1つ「思い違い」をしていました。「87歳の満期まで持ち続けると支払った額の1.2倍になる」と思っていたのですが、受け取り時の為替レートにより、円換算額が一時払い保険料を下回る場合もあります。もちろんかなりの円安になれば、受け取り保障金額は増えますが、円高になると少なくなります。また約款には、前述したように、年金受け取り時にはドルを円に交換するための手数料が、さらに年金管理費(毎年の受取年金額の1.4%、円で受け取る場合はさらに0.35%追加)も差し引かれると書かれていました。恐るべき高コスト商品です。

そもそも買った商品が「悪い商品」だった

「解約したいけれど、損になってしまうから」と迷っていた相川さんですが、私が以下の「解約すべき2つの理由」を説明、腑に落ちたこともあり、解約することに決めました。

2つの理由とは、1つは、大きく損をしているのは運用上の損ではなく、商品の損であることです。運用していれば市場環境によって損が出ることもあるでしょう。しかし、この商品のように、加入した途端にまず1割近く資産を減らしてしまうような「損をする商品」は持つべきではありません。

2つ目は、この商品の内容が正確に理解できないことです。私も、この複雑な商品を理解するために、オンライン上の「特に重要なお知らせ(契約概要/注意喚起情報)」や「パンフレット」を隅から隅まで読み、あれこれ計算をして、理解するのに2時間かかりました。複雑すぎるのです。

結局相川さんは、思い切って、この複雑な外貨建て保険を解約。「400万円弱の高い授業料」を払う形にはなりましたが、解約返戻金を、一般NISA(少額投資非課税制度)を使い、国内外のインデックス投信で限度額上限の毎年120万円ずつ、運用していくことにしました。

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