「外貨建て保険」に潜む恐ろしい"闇"と"ワナ" 思わぬ円高で巨額の含み損を抱えた人が続出

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まずは為替です。受け取り時の為替を、たとえば1ドル=116円など、あらかじめ自分で想定し、それよりも円高の場合は米ドルで据え置かれ、円安の場合は円に換算して年金として受け取れるという仕組みでできています(この仕組みを利用するためには、特約を付加する必要があります)。

問題は「円高」だけではなかった

単に為替換算の話だけなら、さほど複雑ではありませんね。証券マンに「保険だから、リスクが小さいから」と勧められ、相川さんが加入時に払ったおカネ(一時払い保険料)は、15万米ドル分でした。後述しますが、相当な額です。しかし、実はこの商品は、そこから契約の初期費用(契約時にかかる費用)7%が引かれていました。それだけではありません。さらに円をドルに換算するための手数料のほか、保障のための費用、運用のための費用、その他付加した特約保険料などが、保険期間中ずっとかかるのです。

その結果、相川さんの年金原資(今後運用に回るおカネ)は当初から13万9500米ドルまで減ってしまいました。当時の為替レートが1ドル=116.15円でしたので、日本円換算すると加入時に払ったおカネ(一時払い保険料)は、1742万2500円でした。しかし、実際に運用に回ったのは、1620万2925円だったのです。契約時の初期費用が7%、121万9575円分引かれたからです。かなり高いですね。「損が出ているから、解約できない」の大きな原因は、まずこの初期費用にありました。

相川さんがこれまで受け取った年金は、3年間で計109万8109円。たくさんもらっているように見えますが、もし今、解約すると「返戻金は11万7687米ドル」と契約先の大手証券会社に言われました。1ドル=106円(3月下旬現在)で換算すると、約1247万円です。一時払い保険料が約1742万円ですから、約495万円のマイナス。受け取り年金額約109万円をプラスしても、実質386万円の損です。

今、解約したら、386万円の損……。ものすごい金額です。しかし、初期費用は120万円強だったはずで、その費用があったとしても、まだおカネがどこかに「消えて」います。せっかく50代の後半から「37年間、払った額の1.2倍をもらう」はずが、これはつらい話です。どうして、こんな途中経過になってしまっているのでしょうか。「想定よりもドル安円高になってしまった」のだから、仕方ないのでしょうか?

この原因は、確かにドル安円高もあります。しかし、それに加え「解約控除費用」のせいでもあったのです。

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