「カフェで仕事する人」はぶっちゃけ邪魔か コーヒー1杯で居座られても…
ロサンゼルスのベニスビーチにあるローズカフェは、グーグルやバズフィード、スナップチャットといった近隣のIT企業、それにフリーランサーたちに、オフィスの一部のように使われることを歓迎している。このあたりは「シリコンビーチ」と呼ばれるほど、元気なITスタートアップが多い。
シェフのジェーソン・ネロニに言わせれば、フリーランサーも未来のお得意様だ。だが、ネロニがそう思えるのは、ローズカフェが300席もある大きな店だからだろう。だから、カフェエリアと中庭の85〜90席でパソコンを使えるようにしつつ、メインダイニングではパソコン禁止というバランスを維持できる。
Wi-Fiサービスは5時半で終了に
とはいえ、ネロニもさりげなくノマドワーカーの行動に影響を与える工夫をしている。無料Wi-Fiを使うにはメールアドレスの登録が必要で、そのアドレスはレストランのメーリングリストに加えられる。また、2時間で再ログインが必要にすることで、「もう1杯何かを注文する頃かも」と思わせる。
店員がテーブルを回って、パソコンを使っている客に、何か注文はないかと声をかけることも忘れていない。さらにWi-Fiサービスは夕方5時半で終わりにして、カフェスペースを閉めることにしている。仕事時間は終わりで、ディナーの時間だというサインだ。電源も提供していない。
ネロニは一度、Wi-Fiサービスを7時までに延長してみたことがある。「するとみんな、『あれ、まだ使えるぞ』という顔をしている。私たちがスイッチを切るのを忘れたと思ったんだな。そしてカフェスペースからパソコンを抱えて、続々とダイニングルームに入ってきた」。ネロニはやはり、5時半でWi-Fiサービスを終了することにした。
一部のノマドワーカーは、カフェ側のメッセージを受け止め、「いい客」になる努力をしている。オンライン誌編集者のジョスリン・ジョンソンは、ローズカフェなどパソコンが利用できる店のヘビーユーザーで、自分なりにルールを作っている。