トヨタが2030年に描くエンジン搭載車の役割 次世代に必要な電動駆動車はEVに限らない

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トヨタはその場で2030年時点におけるトヨタの動力源(パワートレーン)別の販売台数予測を示した。内燃機関を持たないEVと燃料電池車(FCV)を合わせた台数が10%程度にとどまる一方で、内燃機関に加えモーターとバッテリー、そしてインバーターを搭載したハイブリッド車(HV)やその派生であるプラグインハイブリッド車(PHV)といった電動駆動車の合計台数が50%程度になるというもくろみがなされた。

つまり今から10年以上先も、トヨタが販売する自動車の90%程度は電動駆動車を含めた内燃機関、つまりガソリンやディーゼルエンジン搭載車であるとトヨタは読んでいる。またトヨタは、その先のシナリオとして2050年頃にはEVとFCVの販売比率が最大で40%程度になると予測している。

こうしたHVやPHVを含めた電動駆動車の増加を声高にするのはトヨタだけではない。エンジンが発電機を回すことに徹し、モーターで走るシリーズ式ハイブリッドシステムである「e-POWER」でファンを増やし続けている日産自動車や、メルセデス・ベンツ/BMW/アウディといったドイツ御三家、さらにはここ数年、日本市場でも販売台数を伸ばしているボルボにしても同じことが言える。

CO2の削減に向けた新技術

次にCO2の削減だ。トヨタは同じく、「TNGAによる新型パワートレーン」と題した説明会で、これまでのCO2削減に向けた取り組みを一層加速させるための新技術を発表した。

トヨタは2012年9月に「環境技術説明会」を、2014年4月と2015年4月には「高熱効率・低燃費エンジンの発表」をそれぞれ行い、CO2削減に向けた取り組みを示してきていた。今後も継続的に内燃機関やHVシステムの高効率化に加え、組み合わせるトランスミッションや駆動方式も同時に昇華させていく必要があるとトヨタは判断している。

今回大きく発表された技術は以下の5点だ。

① 新型直列4気筒2.0Lの直噴エンジン「Dynamic Force Engine」
② 新型2.0L用トヨタハイブリッドシステム、
③ 新型無段変速機(CVT)「Direct Shift-CVT」
④ 新型6速マニュアルトランスミッション(6MT)
⑤ 新型4WDシステム「Dynamic Torque Vectoring AWD(ダイナミックトルクベクタリングAWD)」と「新型E-Four」

これらはいずれも、新しいクルマの造り方であるTNGAに沿っている。

このうち、①「新型直列4気筒2.0Lの直噴エンジン『Dynamic Force Engine』」の注目点は、世界トップレベルの最大熱効率40%(HV用41%)にある。

新型直列4気筒2.0L直噴エンジン「Dynamic Force Engine(2.0L)」(動画:トヨタグローバルニュースルーム)
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