物覚えの悪い人が知らない記憶のカラクリ 大事なのは運動、ただし「過酷」は厳禁だ
「記憶力」は脳科学における1、2を争う大きな研究テーマで、世界中で日夜リサーチが進んでいます。
そんな研究の世界で、絶対解として結論づけられているのが「動かずに覚えるより、動きながら覚えたほうが定着率ははるかに高い」ということ。じっと机に座ってモノを暗記するより、動きながら記憶したほうが脳への定着率は段違いによく、記憶できる量も増えることが確認されています。
これは数々の実験で確かめられていて、単語テストを受ける際、運動しながら(あるいはしてから)暗記すると、何もせずに暗記した人より「覚えられる単語数が20%増えた」というデータがあります。
ほかにも、フィットネスバイクをこいでから暗記テストを受けるグループと、何もせずにテストを受けるグループを比較した実験では、計測して早々差が開き、6週間後にはフィットネスバイクをこぐグループが圧勝した、という報告もあがっています。
物覚えがいいのは「早歩き」な人
記憶力をつかさどるのは脳内の「海馬」と呼ばれる部位で、この海馬の実態を調べた「120名規模のアメリカの実験」があります。
1年の間隔を空けて2回、被験者の海馬の大きさをMRIで計測する形で行われ、実験に先立ち、一方のグループには持久力系のトレーニング、もう一方のグループには心拍数が増えないストレッチなどの軽いエクササイズをするよう指示されます。
1年後、それぞれの海馬の大きさが計測されると、ストレッチのグループの海馬は平均1.4%縮んでいたのに対し、持久力系のトレーニングをしたグループは平均2%以上大きくなっていました。
海馬が大きくなった人たちが取り組んだのは、決して激しい運動ではありません。やったのは、「週に3回、40分早足で歩く」だけ。週に数回ほど早足で歩いたり走ったりするだけで、記憶力を強化できることがわかったのです。
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