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日本人が知らないNYの超一流営業が持つ心得 自分が価値提供できれば相手から来てくれる

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それが口座の開設や金融商品の購入につながることもあれば、ならないときも当然ある。それでも、相手が喜んでくれるのならそれでいいと考えていたというのだ。

とはいえ営業として便利屋になるというのは、使いっ走りになることではないということも強調している。つまり相手のためになんでもするのではなく、「付加価値」として自分が提供できるものを相手に見せ、それを「自分を選ぶ理由」にしてもらうという発想である。

自分が営業する商品やサービスの内容が競合とさほど違わない場合、お客さんの選ぶ基準は「どんな付加価値があるか?」ということになる。しかも付加価値をつけるのは難しいことではなく、「相手が求めるもの」を提供できるようになればいいだけ。

つまり人が求めることは、いたってシンプルなのだ。そして、それは「MRI」として覚えておくことができると明かしている。

・ M(Money)―― おカネ
おカネに関連する知識を相手に提供するのが一番効果的だが、それは難易度が高いので、(中略)人脈や情報とお金の話題を結びつけて話すと興味をもってもらいやすい。
・ R(Relationships)―― 人脈
独自の人脈をつくり、「自分はこういう人達とつながっているからあなたの力になれますよ」とアピールすれば、あなたを頼りにしてくれる人が増えるだろう。
・ I(Information)―― 情報
最も実現しやすいのが、相手が興味をもつ情報を提供すること。自分がいる業界のことだけにとどまらず、様々な種類の情報をもっていれば、「あの人なら何か面白いことを知っているかもしれない」と思ってもらえる。
(以上30〜31ページより)

自分が相手に価値あるものを提供できるようになればなるほど、相手はこちらに価値を見いだすようになるということ。こちらが相手を追いかけるのではなく、相手のほうからこちらに来てくれるようになるというわけだ。

次世代を生き抜くために不可欠な能力

著者は2009年にBOAを辞め、現在はニューヨークと東京で教育事業に携わっている。そして日本のビジネスパーソンと接する機会が増えるなか、日本の“営業力”が着実に衰退していることを懸念しているのだそうだ。

原因のひとつは、企業が人材教育に投資しなくなってきていること。かつて大手日本企業は、これはという人材を積極的に海外市場に送り出していたが、ここ10年は経費削減の名のもと、グローバルな営業術を獲得するチャンスを失っていると指摘するのだ。

『NY式「超一流の営業」の基本』(酒井レオ著、朝日新聞出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

しかし、これからはグローバルな営業スキルがより重視される時代。人口減少を受け、日本企業も海外マーケットへ打って出る必要があり、同時に、テクノロジーの発達により製品やサービスを差別化することはどんどん難しくなっていく。そんな状況下において差をつけるとしたら、「どう営業するか」しかないという考え方だ。

そして企業が人材教育を重視しないのであれば、個人レベルで営業スキルを高める必要が生じる。著者はそれを、「次世代を生き抜くために不可欠な能力」だと定義づける。

だからこそ日本のビジネスパーソンには、グローバルスタンダードとされる営業スキルを知ってほしいのだそうだ。本書の根底には、そのような想いが存在しているのである。

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