男子の場合は、共働き志向でも自活志向でも、思考やライフスタイルに大きな違いは見られなかった。
しかし、女子の場合、共働き志向と専業主婦志向で、「将来持つであろう家庭」を重視する割合が高く、「自分の収入のみで生活する」と回答した女子は、「自分のキャリア・仕事」や「収入・家計」の割合が高い傾向にある。
ここまで調査結果から学生の意識を見てきたが、就活生の就業観を簡単に表現するなら、「仕事とプライベートを両立しながら働くことができ、できるだけ残業はせずに済む企業に就職したい」ということになるだろう。
そしてできれば20代のうちに結婚、その後は夫婦共働きで、女子の場合は育児休暇を取りながら子育てまでしっかり行い、その後も仕事は続けることを「普通の幸せ」として望んでいる。
もちろん学生全員が同じ人生設計を目指しているわけではない。自活志向女子や専業主婦志向女子に見られるように考え方や背景も様々だ。ここに示したのはあくまでも代表的な学生のライフプランであることをご認識いただければと思う。
ある大学生とこのコラムの話をしていたときに「自分たちはいつでもインターネットで情報を得られる一方、あまりにも多くの情報が提示されるので選択に躊躇してしまう。そこでまずは無難な選択をしつつ、あとで変更する余地を残しておくようにしていく」という感想を述べていた。
ライフプランを多く用意できるか
この感想には採用におけるヒントや注意点が隠されている。われわれが発表する調査結果は、あくまで代表的な学生像を提示する事はできても、千差万別な学生ひとりひとりの志向や能力を示せているわけではない。
とはいうものの、いくつかのカテゴリーやパターンを示すことで学生をカテゴライズし、そのカテゴリーに合わせた情報提供や選考方法を検討する材料にはなる。職業経験も無く、選択肢を持ちきれない学生に対して、ある程度のライフプランに関する選択の自由を与えつつ、それぞれの志向にあった入口を設けてあげることが有効ではないだろうか。
人はどうしても個々人を一定のイメージにはめ込んで考える傾向がある。面接時や個別対応の際には、学生個々人をしっかりと把握し、企業の求める能力や価値観とのマッチングを図る事が重要になる。企業側も情報活用の方法や解釈を含め、情報提供のあり方に関して見直しが必要だと考えさせられた。
採用する側も、こうしたライフプランに関する調査結果を参考に、就活生とのコミュニケーションの構築に役立てていただければ幸いだ。
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