超シンプル!「夜のドカ食い」を防ぐコツ 夜食べ過ぎてしまうには理由があった
この研究についてペンシルベニア大学体重・摂食障害センター所長のケリー・カステロ・アリソンは、体重増加には無数の要因があり、体重の問題を抱える人を辱めたり責めたりすることは不適切であることを改めて示していると指摘する。アリソンは今回の研究には関与していない。
「太り過ぎの人に対する偏見は多く、彼ら自身に問題があるとか怠けているとか、意思が弱いだけなどと思われている」とアリソンは言う。「重要なのは、人々は生まれながらに持つものがそれぞれ異なり、生物学的マーカーに左右されるケースもあるということだ」。
研究は学術誌「国際肥満ジャーナル」で12月に発表され、過去の複数の研究に基づいている。そのうちの1つ、標準体重の人を対象としたハーバード大学の2013年の研究では、概日リズムが食欲調節に影響を与えていること、そして空腹度は夜に最も高くなり、たとえ前日の夜間に食事をしていなくても朝に食欲は最も落ちることを明らかにしている。
体重管理や健康的な代謝のためには朝に最も多くカロリーを取るのが望ましいことは証明されているにもかかわらず、多くの人が朝食を抜く理由はこの発見からも説明できる。
新研究では、被験者は8時間の断食後、600キロカロリーの流動食を摂取。それから2時間後、利き手と反対の手を氷水に2分間つけ、その様子を撮影されるというストレスの多い状況に置かれた(実際には撮影はされていない)。その30分後、ピザやスナック、お菓子をビュッフェ形式で摂取した。
1日のうちの時間帯が食欲と食欲調節ホルモンに与える影響を調べるため、調査は2回実施し、1回目は午前9時に、2回目は午後4時に開始した。そして、被験者の血液を採取してホルモンレベルを測定し、また被験者自身に空腹と満腹の度合いの主観的な感覚を数字で評価してもらった。
最も避けたい夜のストレス
するとすべての被験者が、この食事法を午後4時に開始したときのほうが朝に開始したときよりも空腹度が高かったと答えた。
同様に、流動食を午前に摂取したときよりも午後に摂取したときのほうが空腹に関連するグレリンというホルモンの血中濃度が高く、満腹を感じさせる「ぺプチドYY」というホルモンの血中濃度が低かった。
過食の人は、この食事法を午後に開始したときのほうがグレリンの初期レベルが高かったのに対し、過食ではない人は逆のパターンを示した。過食の人はまた午後に流動食を食べ、ストレスにさらされたときのほうが満腹感は少なかった。