平昌五輪後、世界は再び大荒れになるのか

北朝鮮も中東も欧州もリスクが「てんこ盛り」

そして北朝鮮や中東をめぐる地政学リスクがある。この後はパラリンピック(3月9日-18日)があるけれども、4月には米韓合同軍事演習が行われるだろう。再び朝鮮半島に緊張が走る。そろそろ「五輪後」に備えて、気持ちを引き締めるべきタイミングといえよう。

パウエルFRB新議長は「デビュー戦」を飾れるのか

しかし何と言っても週明け2月26日以降の最大の焦点は、2月28日に行われるハンフリー・ホーキンス証言だ。年に2回、FRB(米連邦準備制度理事会)議長が連邦議会で証言に立つ機会である。ジェレミー・パウエル新議長にとっては、文字通りのデビュー戦となる。米国経済の現状をどう見ているのか。量的緩和(QE)からの出口政策をどう描くのか。次のFOMC(米公開市場委員会、3月20-21日)は予定通り利上げなのか。そして年内の利上げは2回か、3回か、4回か。市場は鵜の目鷹の目で注視している。

2月上旬に起きた世界同時株安については、「雇用統計ショック」「VIXショック」など、さまざまな「戒名」が浮かんでいる。市場心理とは不思議なもので、この手の「戒名」が決まると急に落ち着くことがある。要は「犯人」さえわかってしまえば、たとえ事件は解決していなくても不安心理が半減するのであろう。

いろいろ候補はあるのだが、今回の下げの容疑者は「長期金利」にあり、と筆者は見ている。10年物米国債の利回りが3%に接近している。景気が良くなれば金利が上がるのはいわば「常識」だ。とはいえそれは、久しく忘れられた常識である。いくら景気が良くなっても物価は上がらず、賃上げも起きず、従って金利も上がらない。だったら投資には絶好の環境というもの。それが「適温経済」と呼ばれるものの正体であった。

ところが低金利を可能にしていたのは、FRBの金融緩和である。過去10年、3次にわたってQEを実行し、米国債や住宅担保債権(MBS)を買いまくり、強引に長期金利を下げてきたから、低インフレ下の景気回復が実現した。ところがここからの出口政策が容易なことではない。

2008年のリーマンショック前には8000億ドルに過ぎなかったFRBの保有資産は、今や4.5兆ドルにまで膨れ上がっている。昨年秋には、「満期になった資産の買い替えを縮小する」という形で、非常にゆっくりとしたペースでの資産縮小に着手した。今の米国経済はQEというドーピングはさすがに不要になったが、いきなり資産圧縮というダイエットに励めるほどの健康体というわけではない。

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