萌え断女子が殺到するフルーツサンドの秘密

フルーツを使った商品は進化し続けている

「最初はチョコレート系が合うと思ったんですけど、いまいちうまくいかない。悩んでいるときに、スーパーへ行ったら、ジンジャーパウダーを見つけて『これだ』と。スライスするやり方は、レシピ本で見つけました。クックパッドなどを参考にすることもあります」と、説明する研究熱心な松田氏。しかし、以前は、フルーツサンドに興味はなかったという。

世の中には、フルーツサンドが好きな人と敬遠する人の2通りがいる。敬遠派は、サンドイッチに果物を挟む感覚が理解できない。松田氏は後者だった。

インスタのコメントから商品開発も

だから、この店の経営母体「日と々と(ひとびと)」での異動で、フツウニフルウツの店長を命じられた折は、フルーツサンドだけで店が成り立つのか半信半疑だった。ただ、料理は好きで、店長になってからは自分なりに何が合うかを考え、味を決めてきた。他店のフルーツサンドを食べ比べたりはしない。先入観にとらわれず素材に寄り添った発想が人気を呼び、ネットを中心に口コミで名前が広がったのである。

商品開発に熱心な松田氏(撮影:今井康一)

インスタでの反応を、マメにチェックしているという松田氏。「イチゴダイフクに挟むあんは最初、白あんだけだったんですが、インスタでお客さんから『粒あんもやってほしい』とリクエストがあって、2種類から選べるようにしました」と話す。日常の接客では会話を楽しむ余裕はないというが、SNSを通じてマメに情報収集を行っていることも、魅力的な商品開発に役立っているのではないだろうか。

東京・神宮前の人気パン屋・カフェの「パンとエスプレッソと」などを開く日と々とは、フルーツサンド専門店を立ち上げるにあたり、店名に「普通にフルーツを、日常的に食べてほしい」という思いを込めた。商品開発にあたり相談したのが、東京・中野区で1940年から続く果物屋、フタバフルーツだった。

老舗とはいえ、なぜ小さな果物屋に白羽の矢が立ったのか。それは、フタバフルーツがここ10年ほど、フルーツイベントやケータリングを手掛けてきた実績があるからだ。

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