アルツハイマー病は治療によって回復可能だ 500人以上が回復した革命的治療法とは?
さらに、アミロイドベータは単なる悪者ではなく、脳の防御反応による「脳細胞を守る兵隊」であったことも分かった。アミロイドベータが溜まる3つの原因は、脳にとって脅威だったのだ。
ところが、その脅威が払拭されないままだと、アミロイドベータが過剰になり、最終的に守るべき脳細胞を壊してしまう。
裏を返せば、アミロイドベータが溜まる原因(脳の脅威)を取り除いていけば、アルツハイマー病から回復でき、病気にかかるリスクも低減できる。新しい理論に基づく治療プログラムがこれを可能にする。
認知機能を回復させる新治療法
「リコード法」と呼ばれる新しい治療法を確立したのは、この分野で30年にわたり研究を続けてきたデール・ブレデセン医師。アルツハイマー病など神経変性疾患の世界的権威として知られる。
ブレデセン医師は2017年8月、リコード法についてまとめた書籍『アルツハイマー病 真実と終焉』を本国アメリカで一般向けに発売し、ニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルでもすぐにベストセラー入りを果たした。
リコード法で治療すれば認知機能を回復でき、早期であれば完全回復も期待できるという。
その治療プログラムは、食事、運動、睡眠といった生活習慣の指導や、脳の栄養不足を補うサプリメント、脳トレーニング、ストレス対策など、実に多岐にわたる。
リコード法は、ひとりでは迷子になってしまうような状態だった患者が職場復帰を果たすなど、素晴らしい成果を挙げている。まさに、これまでの医療の常識を打ち破るものだった。
リコード法を始めるにあたっては、アミロイドベータが脳に溜まる3つの原因に対する脆弱性を的確に検査する必要がある。ブレデセン医師はこれを「認知機能検査」と呼ぶ。
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