スマートフォン登場で、専用機器の苦戦が続く
2社の財務内容を分析しますと、業績悪化の主な原因は、主にカーナビと音響機器の販売が落ち込んでいることだと言えます。これらは、いずれもスマートフォンで代替できる機能であるために、競争が激化しているのです。
カーナビやオーディオだけでなく、デジカメやゲーム機、携帯音楽プレーヤーなどの分野も、スマートフォンに取って代わられる製品ですから、専用機器メーカーは苦戦を強いられています。JVCは昨年11月に、簡易型ビデオカメラの出荷を停止しましたし、オリンパスもデジカメ事業から撤退しました。携帯音楽プレーヤーについても、東芝などの大手が次々と撤退しています。
専用機器メーカーには、この先、明るさは見えてくるのでしょうか。JVCとパイオニアに関しては、財務的な安全性という面ではまったく問題のない会社ですから、すぐに会社がおかしくなるということはないでしょう。
当面は、JVCは設計の見直しなどでコスト削減を進め、パイオニアは人員削減などの構造改革を行うことで、業績をある程度回復させようとしています。それぞれ、「特別損失」のうち「事業構造改革費用」として、JVCは1億円、パイオニアは3億円計上していますので、これから販管費が減少してくる可能性があります。
ただし、コスト削減だけでは根本的な解決にはなりません。今後もスマートフォンの性能はますます向上していくでしょうから、専用機器ならではの機能や魅力をどのように作り出していくかが問題です。今後の新しい製品やサービスと両社の業績に注目です。
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