カーナビ縮小で大苦戦する、JVCとパイオニア 進化するスマホで破壊される、日本の得意分野

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パイオニアもカーナビが足を引っ張る

次に、パイオニアの2013年4~6月の決算内容を分析していきます。先ほどと同じように、損益計算書(7ページから見ていきましょう。

「売上高」は1114億円から1092億円まで減少。一方、「売上原価」は874億円から930億円まで増えてしまったため、「売上総利益」は240億円から162億円までの減少となりました。

それから「販管費」はほぼ横ばいですから、「営業利益」は売上総利益の減少分がそのまま響き、6億円の黒字から75億円の赤字となりました。

この理由のひとつは、カーナビの売り上げが減少したことです。JVCの分析でも触れましたが、カーナビ製品は利益に占める割合の高い商品ですから、この売り上げが減少すると、全体の原価率が上がってしまうのです(下表)。

特に、国内での売り上げが減少していることにも注目です。カーエレクトロニクス事業の国内外別の売り上げを調べますと、国内は16.2%減の343億円、海外は11.6%増の447億円となりました。

円安などの効果で欧州や北米での売り上げが増加したのに対し、国内ではスマートフォン普及の影響によって、市況が低迷しているのです。

もうひとつは、JVCのところでも説明したように、音響市場の縮小です。パイオニアはJVCと同様に音響機器事業でも有名な会社ですが、こちらもやはり減収減益となりました。

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