グリーがついに正社員削減に着手 大阪オフィスを廃止。社員には退職を勧奨
「10億人が利用するサービスを作る」。グリーの業績が絶好調だった11年度半ば頃から、田中社長は盛んにこのメッセージを発していた。しかし、現在はこのメッセージを強調することはほとんどない。「インターネットを通じて、世界をより良くする」というコーポレートメッセージも、決算資料の末尾に小さく書かれているが、田中社長自身の言葉から発せられる数は明らかに減っている。
10億人の目標は海外事業の挫折により撤回するとしても、コーポレートメッセージまで鳴りを潜めるのはなぜか。それはゲーム事業以外の収益源を見いだすことができない、ジレンマに理由がありそうだ。
新規事業を生み出せるか
新体制のもと、田中社長直轄で手掛ける新規事業は、新規といっても目新しいものではない。主に広告事業、ベンチャーキャピタル事業、グッズなどのエンターテイメント事業を指すが、広告事業、エンターテイメント事業はゲーム事業の延長だ。ベンチャーキャピタル事業は資金運用であり、収益面の貢献は心許ない。
新規事業の創出という点では、ディー・エヌ・エーも苦戦が続く。12年10月に開始した無料通話・メールアプリ「comm(コム)」、13年3月に開始したスマホ向け音楽プレイヤー「Groovy(グルービー)」は直近のダウンロード数を公開していないほど、成果が出てない。
元はグリーがSNS、ディー・エヌ・エーはオークションサイトから始まっただけに、ゲーム事業へ過度に依存した状況は本来望ましい構図ではない。新しいサービスを生み出すことが、両社には求められている。
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