卓球人気沸騰!競技の課題と未来のカタチ 盛り上がる渋谷の「卓球ブーム」に迫った

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渋谷卓球倶楽部の店内。取材時には若い男女のグループや親子が楽しんでいた(編集部撮影)

リオ五輪では、卓球女子団体が2大会連続のメダル。さらに同男子団体も銀メダルに輝き、水谷隼選手は日本人として卓球シングルスで初めての銅メダルを獲得。卓球ブームに火がついた年となった。

現在では昼の時間帯も含め、固定客が付いたことで、客数は増え続けているという。

渋谷の卓球バーを語るなら、「卓球酒場 ポン蔵」も欠かせない。ポン蔵は2006年に東京・西荻窪で開業。そこから吉祥寺、渋谷に2店舗、そして高田馬場と徐々に店舗拡大を続けている。渋谷1号店は開業してから今年で9年目を迎え、飲食店の入れ替えが激しい同地区では息の長い店となった。

卓球台はもちろん、ダーツやボードゲーム、そしてスーパーファミコンがあるなど、遊ぶのには困らないアミューズメント・バーとなっている。「当店は基本的に居酒屋なのですが、『飲みながら卓球ができる』ことで知ってもらっているので、合コンで利用される方が多いです。お酒を飲む合間に卓球をしたり、ゲームで遊んだりできます」と、渋谷1号店の佐藤尚渡店長は話す。

ポン蔵もリオ五輪をきっかけに認知度が高まったといい、ここ1、2年では「卓球できるんですか?」という問い合わせが多く、新規のお客が増えているという。五輪という大舞台で日本人選手が活躍することで、どの店舗においても経済効果が生まれていた。

卓球施設の普及が競技の未来につながる

渋谷だけを見ても卓球人気は上昇し、注目度が格段に上がっていることが分かる。その要因としては、前述のとおり卓球選手の活躍による影響が大きい。今秋開幕するTリーグの盛り上がり具合によっては、日本卓球界はさらなる発展を遂げるかもしれない。

ぽん蔵渋谷1号店の店内。15時頃店内を訪れたが、女性グループが卓球を楽しんでいた(編集部撮影)

卓球ができるレストランやバーの増加や、アカツキが『PONG!PONG!』を開発したように、卓球にはまだ計り知れないビジネスチャンスが潜んでいる。

山下社長が話すように”やる場所”の普及を進めると同時に、新しい卓球の楽しみ方を提供し、卓球そのものの魅力や付加価値を高める。

そして、新規の卓球人口を増やすことで卓球市場全体を拡大する事が重要だ。

日本人選手の活躍に伴う人気の上昇、その影響による競技人口の増加、プレーヤーを受け入れられる卓球施設の普及。このサイクルを上手く回すことができれば、選手の育成にもつながり、卓球をさらに身近なスポーツとして根付かせていくことができるだろう。そんな未来を期待しながら、まずは目の前に迫ったTリーグの開幕を待つ。

佐藤 主祥 フリーライター

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さとう かずよし / Kazuyoshi Sato

1991年、宮城県生まれ。新聞の専売社員、マスコミ系の専門学校を経て、独立。スポーツや新しい働き方を中心に、取材・執筆活動を続けている。学生時代は卓球部に6年間所属し、団体戦・個人戦で県大会出場を経験。野球を観ながらお酒を飲むことが何よりの喜び。

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