「上司のお供出張」に疲弊する30代女性の叫び

心の中に渦巻く「なぜ私が?」の疑問

そもそもの部分でいうと、これらの要素3つとも、上司のマネジメントが今の時流に即していないことと関係しているように思います。自分の経験を基にして「こういうものだ」と思い込んで判断したり、「背中を見て学べ」といった全員一律のマネジメントスタイルは、時代に逆行しています。理解や共感ができるかどうかは別にしても、部下がそれぞれに多様な価値観を持っていること、それを認めながら個々の力を伸ばし、チームとして成果を出すことが求められています。

頭ではわかっていても、「こういうものだ」という思い込みから逃れられない管理職が多い、ということかもしれませんね。あなたの上司は、たとえお供であっても上司との出張は意味がある、独身のあなたなら任せても大丈夫だ、きっと今は仕事に全力で向かいたい時期のはず、とでも考えているのかもしれません。

「独身者は、24時間仕事を優先させられる」とつい考えてしまう上司はけっこういると思いますが、かなり危険な思い込みです。誰にだって仕事以外の生活や事情があり、自宅で過ごすリフレッシュの時間を何よりも大切にしている人も多い時代です。出張などで自宅以外の場所で長時間を過ごすことが、強いストレスになる人もたくさんいます。

「独身だから」「子持ちだから」の決めつけは苦痛

さまざまな思い込みが独身者に向けられる一方で、既婚者にも同様のことはあります。たとえば「時間の制約がある」と思い込まれること。私が前職時代に事業責任者だった頃、全国に拠点があって、月に1、2回は出張がありました。子どもがいたので、周囲から、「育児があるのに出張があって大変だね」「ダンナさんも大変なんじゃない?」などと言われては、もやもやした気持ちになったものでした。

当時は、「必要だから行くだけのこと」と心の中で思っても、表面上は笑って「気分転換になりますから」などと答えていました。実際のところ、どちらも本心ではあったのですが。移動の時間を含めて、仕事に集中でき、行かなければわからなかったと思える収穫も多くありました。ひとりだけのベッドで手足を伸ばして眠れる開放感や、時間を気にせずに現地の方たちと食事をしたり語り合ったりできるうれしさなど、仕事とは別の楽しみもありました。だから、私は周囲が想像するようには、出張が苦ではありませんでした。

このように、独身でも、子持ちでも、感じ方はさまざまです。あなたの上司が私の上長だったとして、私のこういった感じ方を知らずに、私に必要な出張をさせなかったとしたら、私は不満に思ったかもしれません。あなたが、「独身だからといって、時間が無尽蔵に使えると思うなよ」と思うのとある意味同じ。

上司の思い込みが一番の罪ではあるけれど、他人同士ですから、言わないとわからないこともあります。あなたも、「察してもらえない」と憤り、上手に断ろうとするより先に、まずは自分の感じ方を伝えて、理解してもらうことを考えてみてはどうでしょう。もしかして、「そんなふうに感じていたなんて」と驚きとともに理解し、素直に反省してくれるかもしれませんよ(もちろん、上司のタイプにもよるので、見極める必要はありますが)。

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