大戸屋創業者の息子が宅配事業を始めるワケ きっかけは「店舗経験」と「祖母の存在」だった
――具体的にはどのような事業モデルなのですか。
介護が必要といった理由で自分で買い物に行けない高齢者が、外食店のメニューを注文し、受け取ることができるサービスだ。まずはデイサービスを対象に開始する。われわれが構築したシステムでは、デイサービス施設の近くにある外食の店舗と注文できるメニューが表示される仕組みになっている。
メニューは施設の職員と高齢者が一緒に発注する。その発注情報が外食店舗に届き、できあがった商品を介護事業会社の職員がそのお店まで取りに行く。そして、施設で待つ高齢者に届けるという仕組みだ。
Uber EATSより低い料率
――スリーフォレストの収益源は何でしょうか。
サービスを利用した高齢者の方は口座振り替えで料金を支払う。売り上げの100%が我々のところに入ってくる。売り上げから販売手数料を引いた金額を外食企業に渡す。具体的な数字は申し上げられないが、宅配代行をしてらっしゃるUber EATS(ウーバーイーツ)や、fineDine(ファインダイン)といった会社より低い料率を設定している。残りはわれわれと、介護事業会社に渡す宅配代行料(商品を受け取りにいった代行料)でおおむね折半する形だ。
――外食宅配サービスは先行している企業がありますが、どのように差別化しますか。
私たちは運び手を抱えていないので、料率を他の追随を許さないところまで落とすことができる。さらに、利用者である高齢者から宅配料をいただいていない。UberEATSや出前館など既存のサービスでは、宅配料がかかったり、商品代が実店舗より上乗せされているケースもある。介護施設の高齢者が職員に外食店の商品を買ってきてほしいと頼んだ際に、別途介護保険外サービス料をとられる場合があるのが実情だった。
私たちのサービスでは外食企業には通常より上乗せした値段で商品を提供するのはやめてほしいというお願いをしている。利用するのは外出したくてもできない高齢者なので、外出をされたときとほぼ同じ値段で商品が買えるようにする。
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