大戸屋創業者の息子が宅配事業を始めるワケ きっかけは「店舗経験」と「祖母の存在」だった

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介護事業会社としては新たな副収入がダイレクトに入ってくる。施設では運転手を専属で雇っているケースも少なくないと聞く。朝夕の送迎時間の合間に商品を取りに行ってもらうことができる。外食企業にとっても宅配用の人手をかけずに、これから伸びていく高齢者のマーケットを開拓することが可能だ。

各カテゴリーの最大手と組む

――事業をどのように拡大していきますか。

4月1日から本格的にサービスを開始する。3月ごろまでに東京都内の20拠点ほどで実験をしたい。4月から7月初めまでの3カ月間で1都3県、130拠点をいったん目標とする。

三森智仁(みつもり ともひと)/スリーフォレスト社長。1989年生まれ。2011年、中央大学法学部卒業、三菱UFJ信託銀行に入社。2013年大戸屋ホールディングス入社。ビーンズ戸田公園店店主、執行役員社長付を経て、2015年6月に常務取締役海外事業本部長。2016年2月辞任(撮影:田所千代美)

今年の10月までには北海道や宮城、静岡、愛知、大阪、兵庫、福岡などにも広げたい。最初は介護保険でいうところの要支援1・2、要介護1・2といった比較的軽度な介護認定の方をターゲットにしたいと考えており、その方たちは挙げたような都道府県に居住が集中している。

――どのような相手と組むのでしょうか。

外食企業は誰もが知っているブランドと組む予定だ。すし、天ぷらなど28カテゴリーに分類し、1カテゴリーにつき原則1社と組む形にしたい。店舗数が多いほうがいいので、各カテゴリーの最大手と組めればいい。たとえばマクドナルドは店舗数が多いし、高齢者からのニーズも多い。

外食の商品以外にもスイーツや日用品をフォローするためにコンビニエンスストアやドラッグストアとのアライアンスも検討していきたい。基本的には当社はプラットフォームビジネスなので、今後もいろいろなことを考えている。日本だけで終わろうと思っていない。

――三森社長のビジネスに大戸屋が関わることは今後ありえるのでしょうか。

大戸屋の商品は父もこだわっていたし、美味しい。当社の外食宅配サービスでもいずれは扱えたらいいと思っている。大戸屋の株主という立場でいえば、正直今の業績は厳しい。頑張ってほしいということしか言えない。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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