10月末期限の東電向け770億円融資は延長 12月の5000億円も実行見通し
[東京 30日 ロイター] - 東京電力<9501.T>への融資を実行している28金融機関は、10月末に借り換えの期限が来る770億円弱について、融資を延長する見通しになった。関係筋がロイターに明らかにした。
東電が柏崎刈羽原子力発電所の6、7号機の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請したことを受け、収支改善が見込まれるためで、今年12月に借り換えのタイミングを迎える合計5000億円の融資についても融資が継続される見通しとなった。
東京電力の金融機関からの借り入れ金総額は約3兆円超。大半は3メガ銀行や日本政策投資銀行などが担うが、地域金融機関などの70行も融資を継続している。このうち、10月末には三井住友銀行のほか地域金融機関27行による770億円弱の借り換えのタイミングが迫っていた。
東電は、経費削減などで2013年度の経常黒字化は可能として各金融機関の説得にあたっており、三井住友銀などはすでに融資の継続を事実上、決定した。
しかし、地域金融機関のうち5─6機関が、東電が策定している総合特別事業計画について、事実上破たんしているとして融資継続に難色を示していた。
だが、東電が柏崎刈羽原発の安全審査を申請したことで「原発再稼働による収支改善への取り組みが現実的になった」(銀行関係者)とし、全ての金融機関が融資継続する見通しになったという。各金融機関は10月中旬までに正式に判断する。
その後に迎える借り換えのタイミングは12月。三井住友や大手生保などが2000億円の融資を継続し、加えて社債償還分の3000億円の新規融資を実行する予定となっている。この合計5000億分についても、再稼働による恒常的な収支改善が期待されるとし、各金融機関は融資を継続する見通しとなった。
(ロイターニュース 布施 太郎 編集;田巻 一彦)
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