米国「通常兵器攻撃に核で反撃」構想のリスク

核戦争リスクを高めかねないとの懸念も

 1月12日、トランプ米政権は新型核兵器を配備し、非核の大規模な攻撃に対して核兵器で反撃する余地を明白に確保する──。ハフィントンポストがこのほど伝えた最新の「核態勢見直し(NPR)」の素案が正式化された場合、こうした事態が起きるかもしれない。写真はトランプ大統領。ワシントンで撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

[ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米政権は新型核兵器を配備し、非核の大規模な攻撃に対して核兵器で反撃する余地を明白に確保する──。ニュースサイトのハフィントンポストがこのほど伝えた最新の「核態勢見直し(NPR)」の素案が正式化された場合、こうした事態が起きるかもしれない。

軍縮問題の専門家からは、核戦争リスクを高めかねないとの懸念も出ている。

NPRは国防総省が策定しており、直近では2010年にオバマ前政権下で核兵器の役割を縮小させることを目指すと表明されていた。

しかし今回の素案は、世界で核兵器の重要性が低下していくというオバマ政権の想定は間違いだったことが証明されたと断言。「世界はより安全ではなく危険になっている」と強調した。

核兵器の近代化を支持

その上で核兵器を敵対勢力の抑止手段として積極的に受け入れ、老朽化しつつある米国の核兵器の近代化を支持している。

米議会予算局(CBO)の見積もりでは、核兵器の近代化と維持のために今後30年で要する費用は1兆2000億ドルを超える。それでも素案は、核による抑止が有効に機能すれば、戦争よりもコストがかからないと主張する。

国防総省は、NPRは最終的に国防長官と大統領の審査を経て承認されると説明しつつ、各種戦略や見直しにおいて決定前の段階の素案に関する議論はしないと述べた。

次ページ報道された素案は本物
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