22歳黒人男性が、81歳白人女性に感じた友情 こんなご時世だからこそ心温まる話

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米国では、22歳の黒人男性と81歳の白人女性の友情が話題に(写真:Rev. Amy Butler via The New York Times)

2017年10月のある日、スペンサー・スレイオン(22)はイーストハーレムのアパートで、数人の友達とダベっていた。

ひょんなことから、話題は「誰が一番の親友か」に。するとスレイオンは言った。「俺の親友は81歳の白人女性。フロリダの金持ち高齢者向け住宅街に住んでるんだぜ」。

親友、というのは、ちょっと言い過ぎかもしれない。でも、ラッパーのスレイオンとロザリンド・ガットマンは、たしかに友達だ。2人はスマートフォン向けゲーム「ワーズ・ウィズ・フレンズ」を通じて知り合った。

「ワーズ・ウィズ・フレンズ」は、いわばオンライン版スクラブル。将棋盤のようなボードに英単語を作っていくゲームだ。シンプルながら夢中になる人は多く、俳優アレック・ボールドウィンは数年前、このゲームのためにスマホの電源を切ることを拒否して、飛行機を降ろされた。

スレイオンは、このときの友達との会話がきっかけで、昨年12月初めにガットマンに会いに行くことになった。「彼女に会ったとき、ものすごく自然な感じがした」と、スレイオンは言う。「特別な感覚は全然なくて、友達と普通に話をしているような感じだった」。

2人が収まった写真は、たちまちツイッターで広く拡散された。米国がこれまでになく分断されているとされる時代に、人種、年齢、所得など多くの境界線(と考えられているもの)を超えて「親友」になった2人の姿に、多くの人が心を動かされたようだ。

ほぼ毎日ゲームアプリでチャット

2人の出会いは、まったくの偶然だった。この夏、「ワーズ・ウィズ・フレンズ」が2人をランダムに対戦相手に選んだのだ。結果的に、スレイオンとガットマンは何百回も「対戦」することになった。

当初は2人ともゲームのチャット機能を使っていなかったが、1度使い始めると、ニュースや最近の出来事についてあれこれ話をするようになった。スレイオンは音楽の道に進むため、生まれ育ったメリーランド州シルバースプリングからニューヨークに引っ越す計画も打ち明けた。

スレイオンとガットマンは、ほぼ毎日ゲームをした。そのたびに「どうということもない、たわいないおしゃべりをした」と、スレイオンは言う。ところがだんだんと忙しくなってきて、スレイオンはゲームをしている時間がなくなってきた。

そこで彼は、ひとまずアプリをスマホから削除することにした。だがその前に、ちゃんとガットマンにあいさつすることを忘れなかった。そして最後に、人生のアドバイスを聞いてみた。するとガットマンは言った。「夢がなんであれ、手を伸ばしてつかむのよ」。

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