「米朝戦争」の可能性は、なくなっていない

これから考えられる2つのシナリオ

ただ、日本だけは蚊帳の外に取り残され、単に見守る形になるだろう。北朝鮮が、対日核攻撃能力を失わずに済む、まさにこのような不利な取引に対し、日本政府は警告を発し続けていたからだ。

しかも、米国が取引に応じれば、北朝鮮にとっては自動的に同盟国である米韓からも同意を得たという形になってしまう。しかしながら、取り残されることに不安を感じる日本は、最終的にはこれに応じることになるのではないか。

最初の数カ月が重要な時期となる

正恩氏は新年の演説で、平昌オリンピックに向けて韓国との対話への関心を示しており、北朝鮮が韓国だけではなく、経済制裁の緩和を視野に米国とも何らかの交渉を行いたいと考えていることは明らかだ。一方、これはトランプ政権にとっても、高まり続けている米朝間の緊張を緩和するために、ありがたいチャンスと言えるだろう。

2018年は、最初数カ月が重要な時期となる。2月の韓国・平昌オリンピック開催中に、国連による休戦協定が結ばれるかもしれない。その時こそ、正恩氏がほんのわずかでもドアを開け、韓国との話し合いに応じる時である。もしその際に、米国とも話し合うという決定が下されれば、細い小道が開けるかもしれない。

それでは、もう1つのシナリオ、つまり、戦争の可能性を考えてみよう。北朝鮮が、米国と話し合いの場をもちたがっているのは明白だ。トランプ政権に、北朝鮮の核兵器保有国としてのステータスを認めさせることにつながる合意を得られれば、正恩氏にとっては勝利となる。

これは事実上、非核化への強要をトランプ政権が手放すことであり、金正恩政権に対する経済制裁を和らげることにつながり、そのうえ“ボーナス”として、ワシントンと、その同盟国との間にくさびを打ち込むこととなる。実験に対する停止令など、たとえしばらく続いたとしても、代価としては取るに足らない。

問題は、トランプ大統領がこうした取引に乗るかどうか、である。米国の米朝関係専門家同様、北朝鮮もトランプ大統領が実際にどんな人物であるのか、トランプ政権の壁の中で何が行われているか、を見極めようと躍起になっている。

実際、昨年の春から秋にかけて北朝鮮は、米国人記者や専門家を北朝鮮に招待したり、会談を申し出たりして、全員に同じ質問を浴びせかけてきた。

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