「米朝戦争」の可能性は、なくなっていない

これから考えられる2つのシナリオ

ICBM開発の「完成」宣言は、かなめに到達するという確約が実現間近である、という意味にとらえられるのではないだろうか。北朝鮮は窓を開けたと同時に、行動を一時的に「休止した」とも言える。しかし、問題はこの「休止」がどの程度本物なのか、という点である。

金正恩政権が、再度挑発のレベルを引き上げる時、それがどんなものになり得るのか、すでにわれわれに知らしめているのではないか。それは、太平洋上どこかで行われる大気圏内核実験である。

噛み合わないホワイトハウスと国務省

一方、レックス・ティラーソン米国務長官は2017年12月中旬、北朝鮮との対話の用意があることを示したが、方々から批判を受け、数日のうちに、ホワイトハウスからもこうした声明を撤回するよう要求される結果となった。

それでも、国務省側は北朝鮮と対話をする心積もりがある、という姿勢を崩していない。国務省とホワイトハウスのスタンスが異なる背景には、2つの要因がある。1つは、国務省高官らが、6カ国協議に北朝鮮が同意しないかぎり、どんな対話もあり得ない、としてきた態度を軟化させようとしていることだ。

もう1つは、国務省高官らが、特に最終目標を定めず、その上である取引を行おうと考えていることだ。その取引とは、米国が、北朝鮮に対する制裁措置を部分的に緩和することや、韓国との共同軍事演習を保留するといった譲歩を行うことで、北朝鮮の核ミサイル実験を「一時停止」させるという取引だ。

これに対してホワイトハウスは、「すべての対話は、非核化につながらなければならず、凍結政策を止めることはない」、という発表済みの姿勢を、公的に変える考えはない。

こうした中、国務省の姿勢を支持する政府関係者らは、トランプ大統領は、単に、北朝鮮を屈しさせ、米国に向けられたICBMの脅威を退けたという勝利宣言をしたいだけだ、と話している。とはいえ、米国内で困難な政治的状況に直面し、今年11月には中間選挙を控える中、トランプ大統領は国務省の考えに傾く可能性があると、高官らは見ている。

そこで、カギを握ることになりそうなのが、韓国の文在寅政権である。前述の取引が、韓国とのさまざまな取り決めに北朝鮮が肯定的に応じるものであれば、特にだ。中国、そして、ロシアもこれを歓迎するだろう。

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