「米朝戦争」の可能性は、なくなっていない

これから考えられる2つのシナリオ

「平和への道」が、最も想像しやすいのではないだろうか。ただし、それは真の平和ではなく、戦争の回避に過ぎず、将来戦争がより起こりやすくするかもしれない平和である。

この道は、北朝鮮の金正恩体制とトランプ政権との間の直接対話から始まる。これには、2つの条件が合わなければならない。正恩氏が挑発行動を行わず、対話を行う状態が整うこと。もう1つは、トランプ大統領が、厄介で困難になることが目に見えている交渉を厭わない、ということだ。ここ数週間の状況を見ていると、現状はどちらもこの状態からは遠い。

挑発行為をエスカレートさせている北朝鮮

まず、北朝鮮の状況を見てみよう。2017年夏には、ベテランの北朝鮮研究家たちは、正恩氏は「核戦力保有国」というステータスに向けて情け容赦なく前進している、と確信していた。

9月3日には、それ以前に行われた実験の少なくとも10倍の規模の、大規模弾頭実験に成功している。北朝鮮は、これは長距離ミサイル搭載可能な小型水素爆弾であり、「核兵器プログラム完成における、実に意義深い一歩」だと主張した。

一部の専門家は、正恩氏が核保有国としての勝利宣言をするのを、期待していた向きがある。そこから、焦点が経済発展に移り、それにより米国との何らかの交渉に入るのではないか、と。

しかし、この期待は裏切られた。正恩氏は、北朝鮮に対する制裁措置、またこれに中国がかかわっていることの影響を肌で感じている様子で、さらに行動をエスカレートしたのである。

11月29日には、長距離弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の発射実験を実施。これは、「超大型の重量弾頭で、米国大陸全域が射程に入る」もので、これにより「朝鮮民主主義人民共和国 (北朝鮮の正式名称)により定められた、ロケット戦力システム開発という偉業を実現した」とブチ上げた。

次ページ北朝鮮が挑発レベルを引き上げるとしたら…
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
迷走する技術者王国<br>ホンダが消える日

「ホンダにしかできないエッジの立たせ方をしないと、ホンダはいなくなる」。八郷隆弘社長が断言。独創性を取り戻そうと、提携や研究開発組織の再編を加速。生き残れるのか。