2018年「40代が住みたくなる街」はこの4つだ 「暮らしやすくなりそう」という視点で厳選

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2017年秋以降、東急電鉄はその池上線の振興を打ち出している。大田区や品川区とも協働し、観光名所の代わりに「生活名所」なる言葉で沿線の暮らしやすさをPRしようというのである。

前述の、構内に踏切のある池上駅の駅舎建て替えや、大田区による洗足池近くでの勝海舟記念館(仮称)建設計画などもあり、ネタはある。坂が多いという難はあるが、住宅地としては優れた環境にあり、少しずつではあるが変化は起こりつつある。2018年では難しいとしても、近い将来必ずブレイクするはずのエリアである。

ブレイクしないとヤバいことになる

番外編 所沢

ブレイクする、しないではなく、しないとまずいのではないかと思っているのが所沢(埼玉県所沢市)だ。所沢では2000年前後から駅近くではなく、かつての中心市街地で防災の意味もあってタワーマンション建設が相次ぎ、風景が大きく変わった。当時の取材では中心部に賑わいが戻ってきているように見えた。だが、ここ10年ほど人口の減少は顕著である。

その状況下、所沢では駅西口と、西口のうちでも北側の東町、東口で東口駅前ビル計画と3つの大きな事業が進行している。西口の開発エリアは約8.5haあり、大規模商業施設を核とし、道路や公園の整備はもちろん、2021年3月入居予定で地上29階、全311戸というタワーマンションも建設される計画だ。

タイミングとしては東京五輪後の完成となるわけで、その時に経済状況には諸説あるが現状であまり選ばれているとはいえない場所に、これだけの規模。池袋まで直通23分、西武池袋線、西武新宿線の2線に加え、東京メトロ有楽町線、同副都心線も使える好立地ではあるが、どうだろうか。

ちなみに所沢市内ではもうひとつ、武蔵野線の東所沢から歩いて10分ほどの旧所沢浄化センター跡地に文化施設やホテルなどが集積する再開発施設「ところざわサクラタウン(仮称)」の建設計画がある。

KADOKAWAが新しい製造・物流拠点を構えると同時に図書館・美術館・博物館を融合させた日本初の施設を建設し、クールジャパンの総本山とも言える文化コンプレックスと街づくりの実現を目指すという。立地の悪さは気になるが、壮大な計画である。成功すれば所沢市全体も大きく浮上しそうだが、さて。

中川 寛子 東京情報堂代表

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なかがわ ひろこ / Hiroko Nakagawa

住まいと街の解説者。(株)東京情報堂代表取締役。オールアバウト「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。30年以上不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービスその他街の住み心地をテーマにした取材、原稿が多い。主な著書に『「この街」に住んではいけない!』(マガジンハウス)、『解決!空き家問題』(ちくま新書)など。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会各会員。

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