韓国サムスン、「3本の矢体制」へ布石? グループ内で事業再編、71歳李会長から子供へ権力移譲も

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韓国メディアなどの下馬評によれば、李在鎔氏は実質的後継者としての地位を保ちつつ、サムスン電子とサムスン生命を引き受ける可能性があるという。また、李富眞氏はホテル、免税店、レジャーや消費財部門を担当し、李叙顕氏は素材専門企業となった第一毛織と広告業の第一企画、サムスン石油化学などを引き受けるだろうと見ている。

後継体制の中核は長男・李在鎔氏だが…

ただ、サムスンエバーランドの大株主である李在鎔氏がグループ支配をどこまで強化できるかは不透明と、前出の石田氏は指摘する。「李在鎔氏はこれまで目立った実績がない。短期間でどこまで周囲が納得できる成果を出せるかどうか。すでに多くの専門経営者が育っているサムスン電子のなかで、創業者三代目というだけで専門経営者の上に立てるかどうか」と見る。

一方、長女の李富眞氏は、ホテル新羅の社長として大きく売り上げを伸ばすなど目立った実績を上げており、「経営手腕は三兄妹で断トツ」という評価もある。彼女の今後の動きも、後継体制に強い影響を与えるだろう。「サムスンがくしゃみをすれば、韓国経済は風邪をひく」と言われるほどの影響を持つサムスングループが、今後も安定した経営を続けることができるかどうか。そのための後継体制は重要な関心事となりそうだ。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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