韓国サムスン、「3本の矢体制」へ布石? グループ内で事業再編、71歳李会長から子供へ権力移譲も
だが、日本サムスンで顧問を務めた経験のある経営コンサルタントの石田賢氏は「確かに後継体制固めの1歩という見方も理解できる」としたうえで、今回の事業売却は「それよりは、第一毛織のリストラの一環」と指摘する。
「第一毛織のファッション部門は長期にわたって営業利益率が低迷している。2013年上半期の営業利益率はわずか2%と低迷中だ。サムスングループでは、営業利益率が10%以下の事業は、常に見直しの対象となる」と説明し、今回の措置は、まずは事業部門のリストラが一義的と言う。
グループを兄妹で三分割する可能性も
また、韓国経済・企業経営が専門でアジア経済研究所主任研究員のの安倍誠氏は、「後継体制に向けた動きと考えたほうが自然」と指摘する一方、「李叙顕氏がファッションから手を引くことは考えにくい。サムスンエバーランドは今回の買収でファッション部門を吸収した後、将来的に兄妹で三分割する可能性があるのでは」という。
第一毛織の化学・素材部門は、サムスン電子とのシナジー効果をはじめ戦略的重要性が高い。今後もグループの中核企業となるのは間違いなく、それは李在鎔氏にとっても都合がよいのは確かだ。
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