26歳「発達障害」の彼がやっと見つけた天職 引きこもり、入院、いじめられた過去も

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子どもの頃は生きづらさを感じていた発達障害。しかし、宮長さんは自分の発達障害についてプラスに捉えている。

「発達障害で苦労したことはたくさんあるし、できないことも多いけど、その代わり、他の人とは発想や考え方が違うし、おそらく頭の回転は速いと思っています。だからしゃべりも速くなってしまうのですが……。たとえばシステムやプログラムでトラブルが起きた際、ほかの人が見ている角度とは少し違う方向から攻めて解決することが多いです。

発達障害があるからとマイナスに考えても仕方がない。足りない分はきっとどこかに足されているはずだと考えています。でも、それと同時に普通の人と一緒にいられる自分にならなくてはという思いもあります。だから、普段から早口にならないよう意識はしています」(宮長さん)

発達障害が知られるようになった今、当事者である宮長さんはどう思っているのか聞いたところ、発達障害がマイナスな意味で軽く使われている印象もあるという。

「誰かが少し的外れだったり変なことを言ったりすると『お前アスペかよ~』と突っ込む人がいます。もちろん、今はこの使われ方が改善されている途中だと思います。発達障害は少しずつ、病気の1つとして認識されていくのではないかと思います。それこそ、アトピーと同じくらいの認知度になっていきそうです」(宮長さん)

今後の目標は

苦しんでいた時間が長かった宮長さん。今まで親に迷惑をかけた分、親孝行したいとも語った。

「ブラック企業で働いた経験も糧になり、ようやく人並みになったので、次は社会人として時間やおカネの余裕を持ちたい。そこまでいけば、自分はようやく発達障害が治ったというか、僕は発達障害でないと言えるかなと」(宮長さん)

生きづらさから立ち直り、さらなる階段を上っている最中の宮長さん。話を聞いていると、努力の塊の人だと感じられた。「自分は発達障害ではない」と自信を持って言える日も近いのではないだろうか。

宮長さんは幸運にも自分の得意なことを見つけられたが、「できないことばかりで何もできる仕事がない」と嘆いている発達障害当事者のつぶやきもSNS上で見かける。どうすれば自分の得意分野に出会えるかという課題も、当事者が抱える大きな悩みなのかもしれない。

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