マックが早朝から「濃厚グラコロ」を売るワケ 既存店売上高は11月まで24カ月連続でプラス

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期間限定商品の投入の際には、ツイッターも活用した販促も行う(記者撮影)

朝食機会の市場規模は拡大傾向にある。外食・中食産業の継続調査を行っているエヌピーディー・ジャパンによれば、2016年11月~2017年10月の外食・中食市場全体は1年間で1.6%しか伸びていない中、朝食機会の市場規模は3.6%伸びているという。

「働き方改革や、ライフスタイルの変化により、朝食の外部化需要が伸長している。手軽に朝食をその場で取ることができるファストフードは、このニーズに合っているため特に伸びている」(エヌピーディー・ジャパンの東さやかシニアアナリスト)。グラコロシリーズの終日販売は、本格的に朝食時間帯を強化していきたいことの表れといえそうだ。

ネーミングも工夫した

日本マクドナルドの足立光・マーケティング本部長。ネーミングを含め、マーケティング改革に取り組む(撮影:今井康一)

近年、マクドナルドが改革に乗り出したマーケティング戦略も今回の期間限定商品に生かされている。その1つがネーミングだ。

マーケティング本部の坂下真実・統括マネージャーは「超グラコロと対を成す商品、コクのあるビーフシチューを漢字1文字で表す商品として熟グラコロと名付けた。超と熟どちらがいいか会話が生まれるキャンペーンを提案していきたい」と語る。

こうしたネーミング改革を主導する人物が足立光・マーケティング本部長だ。足立本部長がマクドナルドに入社したのは2015年10月のこと。それまでP&Gジャパンや独ヘンケルグループ、ワールドなどでキャリアを積んできた。

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