FRBの自信喪失、変心にご用心

金利上昇の影響はおそらく限定的

12月会合でQE3縮小を始める場合、どのようなアプローチが取られるだろうか。少なくともQE3への依存度が極めて強いMBS市場への配慮によって、当初は米国債のみの縮小に留めることになるだろう。そうした慎重なアプローチによって金融市場の動揺を最小限に抑えたことを確認する形で、来年1月の会合(おそらくバーナンキ議長の最後の会合)でMBSの縮小に入るとみられる。このときもMBS市場への配慮から、縮小規模は米国債よりも小さくなる。米国債とMBSとでは購入終了のタイミングにずれが生じるということだ。米国債の購入は2014年半ばまで、MBSの購入は同年末までになるだろう。

QE3縮小に残る障害

12月会合でのQE3縮小にも障害は残る。バーナンキ議長が「様子見」を決めた3つめの理由として挙げた、債務上限問題等、財政を巡る政治対立である。

債務上限を引き上げなければ、国庫は10月中旬に枯渇する。また10月に始まる2014年度の歳出法がまだ成立していない。この結果、米国は連邦政府機関の閉鎖や、2011年の夏に起きた米国債のデフォルト危機が再来しかねない状態にある。

最もあり得るシナリオは、短期間の暫定予算とそれに見合う債務上限の引き上げ(または棚上げ)によって、11月下旬の感謝祭明けからクリスマス休会までの間がヤマ場になるというシナリオだ。オバマ大統領と下院共和党がクリスマス前にギリギリの合意に達するという、もはや年末恒例と言える政治劇である。この劇が終わる見込みが低ければ、12月FOMCでのQE3縮小開始の障害になるかも知れない。

しかし、この政治劇を主たる理由として金融政策を据え置けば、FRBは実質的に政治に左右される中央銀行に成り下がってしまいかねない。筆者は、住宅市場の底堅さが確認される中で財政問題だけが燻る状況であれば、金融政策の据え置きはないと予想する。

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