FRBの自信喪失、変心にご用心 金利上昇の影響はおそらく限定的

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縮小

バーナンキ議長も人口構成の変化に着目した雇用情勢への評価を示した。こうした評価は、QE3開始以来、初めてと言ってよい。バーナンキ議長は「雇用の改善が進んでおり、労働参加率の低下によってそれが分かりにくくなっている」と説明した。

QE3発動の理由だった雇用情勢の回復について、失業率の低下等にみられる進展は、見せ掛けではなく確かなものである、という評価は重要だ。FOMCはこうした分析によって、「不透明感」という霧が晴れさえすればQE3を縮小できる準備を整えている、ということだからだ。

アノマリーの追い風の中、12月会合でQE3縮小開始

次回会合(10月29~30日)の時点ではまだ材料不足だろうが、FOMCはそれでも相応の自信を取り戻すはずだ。そして12月の会合で「金利上昇の影響は限定的だった」との判断からQE3の縮小に踏み切ると予想する。

自信回復の手助けとなるのは、今夏の経済指標の下ぶれを受けた市場予測の下方シフトという「癖」(アノマリー)である。上述したように、最近は市場予測に比べて経済指標の下ぶれが相次いだ。市場予想は過去の経済指標の動きを反映して形成される部分があるため、経済指標が下ぶれると、徐々に市場予想そのものが下方シフトされていく。その結果、次に出てくる経済指標は下方シフトした市場予想に沿ったものか、市場予想を上回るものになる傾向がある。市場予想と対比した場合の経済指標は、循環的に上ぶれ、下ぶれを繰り返すわけだ。

実際、2011年以降、こうしたアノマリーによって「年初の経済指標の上ぶれ」「年半ばの下ぶれ」「年終盤の上ぶれ」という循環が生まれており、タイミングのずれはあるものの、今年も同じことが起きている。このアノマリー論に依拠すれば、今年終盤にかけての経済指標は、思いのほか底固い内容になると期待できるのである。

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