子供の食べ物に過敏すぎる親に教えたい心得 砂場で遊ばせるなら動物の糞に気を付けよう

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野菜をそのまま食べさせてもいい?(写真:FS-Stock / PIXTA)
近年の研究で、人間の身体に棲みついている微生物の多くはわたしたちの健康に欠かせない存在であることがわかってきた。その大切なパートナーを「清潔すぎる」環境によって失っていることに警鐘を鳴らす科学者もいる。
特に乳幼児の成育過程における過度な除菌や消毒は、子どもたちの生涯の健康に悪影響を及ぼすというから注意が必要だ。ぜんそく、アレルギー、うつ、そしてADHD(注意欠陥・多動性障害)までもが、そうした微生物、とりわけ腸内細菌の貧弱さによってもたらされうることもあることが明らかになっている。ではいったいどこまできれいにすればよいのか?
「子どもを極端に清潔な環境で育てていいのか」(12月2日配信)、「哺乳びんやおもちゃの殺菌は過敏な反応だ」(12月9日配信)に続いて、『「きたない子育て」はいいことだらけ!』の著者が答える。

子どもは砂場で遊ばないほうがよいのか?

「砂場は不衛生でしょうか?」という質問を受けることがあります。子どもは砂場が大好きですし、1カ所の砂場で10人以上の子どもが同時に遊んでいることも珍しくありません。

砂場は公園の人気スポットです。そのせいで公園のほかの遊具と比べると微生物の密度が高いことは確かです(これはいくつかの研究で明らかにされています)。その点で砂場は、ブランコや滑り台と比べれば、感染症にかかるリスクが高めだといえるでしょう。

それなら子どもは砂場で遊ばないほうがよいのでしょうか? いいえ、砂場で遊ぶのはとても楽しいし、そのせいで病気にかかるリスク自体は低いのですが、子どもが砂場で遊んだ後には、手洗いなどの衛生習慣をきちんと守らせるべきです。

多くの動物(はっきりいえば猫です)にしてみれば、砂場は大きなトイレのようなものなので、すきあらばその目的で使われてしまい、これが別の感染源になる可能性があります。個人の裏庭であれば、砂場を使い終わったらカバーをかけておけば、ネコのトイレにされることは簡単に防げますが、公共の公園では、子どもに使わせる前には砂場をしっかり点検するのが賢明でしょう。

動物のふんが見つかったら、それをスコップですくえばよいでしょうが、同時にその周囲の砂も多めにすくうようにしましょう(ネコ用トイレの掃除を一度はしたことがある人ならわかると思います)。近所中のネコがその砂場をトイレとして使ったようなら、子どもをそこで遊ばせるのはやめて、自治体の管理担当者に連絡し、砂を交換してもらいましょう(ネコのふんには、人間に感染する寄生虫が含まれている場合があります)。

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