子供の食べ物に過敏すぎる親に教えたい心得 砂場で遊ばせるなら動物の糞に気を付けよう

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最後は「果物や野菜を洗わずに子どもに食べさせてもいいでしょうか?」という質問への回答です。洗ったほうがいい場合がほとんどです。果物や野菜は生のままで消費されることが多いので、農場や貯蔵庫で発生した汚染が食べる人のところにそのまま届く可能性があります。

たとえば、いろいろな種類の作物に水をやるのに使われている灌漑システムでは、水に危険な病原体が含まれていることが知られています。それに果物や野菜を洗うことは、食中毒のリスクを大幅に低くする方法として有効です。食中毒は、子どもや高齢者、妊娠中の女性(こうした人々はみな免疫系が弱くなっています)といった人々で起きやすいのです。アメリカ疾病対策センター(CDC)は、アメリカ人のおよそ6人に1人が食中毒で具合が悪くなったことがあると推定しています。

実際に、毎年12万8000人が食中毒で病院を受診し、3000人が亡くなっています。つまりこれは重大なリスクであり、衛生習慣を守ることでそのリスクを低くしたほうがよいということです。

とはいえ、生で消費される食品を洗うことは、食中毒を予防するためのステップの1つでしかありません。ほかにも、生の肉や魚介類、卵は、調理ずみの食品と一緒にしない、食品を適切な温度で加熱調理する、腐敗しやすい食品は、購入したら1〜2時間以内に冷蔵庫に入れるといった習慣を守ることが大切です。果物や野菜を洗ったほうがいい理由として、残留農薬を洗い流すということもあります。

店で買ってきた有機農産物は?

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果物や野菜に専用の洗剤を使う人もいますが、欧州作物保護協会とアメリカ農薬情報センターはどちらも、そうした製品を使っても、農薬を洗い流す効果は水だけで洗った場合と違いはないとしています。洗っていない果物や野菜を食べさせても問題ないと考えられる状況が1つだけあります。自分の裏庭や菜園で育てたもので、水やりには雨水か、ホースからのきれいな水を使い、農薬を使っていない場合です。

だからといって、店で買ってきた有機農産物を洗わずに食べても大丈夫なわけではありません。有機農法では、作物中の残留農薬のレベルは大幅に低くなりますが、大方の予想に反して、食中毒のリスクが低いわけではないからです。

有機農作物を育てる場合には、肥料として堆肥を使うことが多く、そこに病原体が含まれている場合があります。たとえば以前、リンゴジュースによる病原性大腸菌O157:H7(重篤な下痢と腎機能障害を引き起こす)の食中毒が大流行したことがありましたが、原因は材料の有機農法のリンゴに病原菌を含むウシの糞便がついていたことでした。

ブレット・フィンレー ブリティッシュ・コロンビア大学教授

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B. Brett Finlay, PhD

バクテリア感染に関する世界的権威。微生物研究歴は30年、450本の論文を発表する一方で、バイオテクノロジーベンチャーのInimex、Vedanta、Microbiome Insights の創業者でもある。カナダの民間人が受けることのできる最高位の勲章、Order of Canada の受勲者。

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マリー=クレール・アリエッタ カルガリー大学准教授

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Marie-Claire Arrieta, PhD

腸内細菌と免疫についての研究者。最近の乳児のぜんそくと重要腸内細菌群欠如についての研究は、2015年にこの分野のブレークスルーとして注目され、数々のメディアでとりあげられた。『Gastroenterology』『PNAS』『Science Translational Medicine』などに論文を発表している。

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