本音対談、若き起業家の「鈍感力」が凄すぎる 観客唖然「家がなかった」「1日で3億円流出」…

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康井:まさに同じです。当時は、ホームページのデザインも簡単にささっと作るというわけにはいかない時代でしたが、自力でなんとか作って。

光本:そうそう。画像を自由に扱ったりできないので、靴のデザインも、テキストで一生懸命説明しました。そんな体験が、個人のネットストア作成を支援するサービス「STORES.jp(ストアーズ・ドット・ジェーピー)」の立ち上げにつながっています。

私は、大学卒業後、外資系の大手広告代理店で働いて、ブランディングとはなんなのかを学びました。当時から、ブランドといえばナイキが圧倒的でしたね。ずっとカッコイイなと思って、ナイキの広告はずいぶん研究しましたよ。

池見:山田さん、いかがですか。山田さんはファクトリエというブランドを立ち上げ、アパレルのものづくりの世界を変えようとされている方。高品質な日本の工場のアパレル製品をブランディングし、ユーザーに届けようとされています。

ファクトリエ・山田敏夫氏(以下、山田):僕は熊本出身で、地元の商店街には小さな靴屋しかなかった。なので、欲しいスニーカーはネットの掲示板で探して買っていました。だから、おふたりのどちらからも買っていたんじゃないかなと……(笑)。

起業家、だけど住む家がない!?

康井 義貴(やすい よしき)/1985年トロント生まれ。トロント、ニューヨークで幼少期を過ごし、10歳から東京に在住。シドニー大学留学、早稲田大学卒業後、米大手投資銀行リーマンブラザーズでM&Aアドバイザリー業務に従事。その後、シリコンバレーの大手ベンチャーキャピタルDCM Venturesで米国、日本、中国のスタートアップへの投資を手掛ける。2012年、Origami(オリガミ)設立(撮影:尾形文繁)

池見:みなさんナイキに愛着心がありますね。『シュードッグ』を読むと、起業家という同じ立場の人間として感じるところがあります。フィル・ナイトはずっと苦労して会社を大きくしていった。私が印象深かったのは、つらくなったとき、ナイトは6マイルのランニングを自分に課していたという話です。起業家にはつらいことがいっぱいあると思いますが、過去のつらい経験とか、それをどう乗り切ったかを聞かせていただけますか?

康井:ファンド時代の同僚がミュージシャンになると言って辞めてしまったんです。面白いなあと思う一方で、カッコイイなとも思っていた。実際、彼はその後デビューしました。それ以降、自分のやりたいことはなんだろうと考えるようになりました。

最初は、とにかくおカネを事業に回したくて、家を引き払って家具も売りました。わずかな荷物を友達のオフィスの片隅に置かせてもらっての生活です。シリコンバレーで学んだのは、「成長のための投資は惜しまない」ということでした。成長するためには投資こそが大切で、投資をすれば当然おカネは減る。減るのは怖いけど、どんどん成長のための投資をしようと思っていました。

池見:今ではビジネスも成長して、21億円ほど調達されていますよね。並み居る強豪がいる世界に打って出ているのだと思いますが、ストレスフルでは?

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