独身女子が悩む「母のために家を買うべきか」 一人親は気になるが、自分の将来も輝きたい

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しかしながら、家を借りているわけですし、年間123万3000円では、非常に厳しい現実です。現在、涼子さんの月13万円の助けがあって生活している状況ですが、このままでは将来的にもずっと援助を続けなくてはならないのでは困ります。

母親に自立を促して、もう少し働いてもらう

そこで、ここでぜひ考えていただきたいのは、お母様の自立です。58歳という年齢で、「これ以上働く時間を増やすのは難しい」とは思えません。お母様には、この現実を理解していただき、もう少し収入を増やし、取り崩しのペースを落とすようにしてほしいと思います。お元気だということですので、もっと積極的にお仕事をすれば、お母様自身の世界も広がるかもしれません。まだ58歳なのですから、新しいことにも挑戦できるでしょう。

また、現在資産も適切な運用をしていくとよいでしょう。そのときに、間違っても「外貨建て個人年金保険」や、「毎月分配型投信」などを買ってはいけません。そうした商品を勧められないためにも、運用は親子で真剣に考えましょう。リスクを取りたくない資金は、「個人向け国債変動10年型」で運用。一方、リスクを取ることができる資金は、お2人のNISA口座を利用して、国内外のインデックスファンドで運用してもいいでしょう。ただし、大きくリスクを取れる家計ではありません。

そして、なるべく早い時点で、お母様には、ご実家のある鹿児島にお帰りになられることをご決断いただきましょう。住まいがあってかつ、物価の安い地方ならば、月額10万3000円でも生活できないことはないと思います。涼子さんが月に5万円くらいなら、仕送りをしてあげてもいいですね。ともかく、涼子さんが早く自由になることが大切です。

次に、涼子さんへのアドバイスですが、将来、お母様はさらにお年を召され、ギリギリのところで生活されることになります。以前にも増して涼子さん自身がしっかり働くと同時に、資産形成も行い、いよいよ困った事態になったときには、お母様を助けてあげられるように頑張ってください。そういう可能性を踏まえて、ご自身の人生とキャリアプランニングを考えていくことが大切です。

ご自身の資産運用では、個人型確定拠出年金制度(iDeCo)と、来年から始まるつみたてNISAで運用を行うとよいでしょう。税制メリットを考えると、iDeCoが得なので、なるべく大きく使うべきですが、涼子さんの場合は、60歳まで引き出せないことが不都合なケースも考えられるので、配分は改めて考えてみてください。

どうぞ、お母様としっかりお話ししてください。娘の幸せを願わない母親はいません。お母様が、少しずつお元気になられ、ご自身の人生を前向きに考えられるように励ましてあげてください。お母様と涼子さんが、それぞれに新しい人生を歩み出されることを願っています。

「おカネと人生の相談室」に出ていただける方を募集しています(料金不要)。住宅ローン、保険、家計、資産形成などについての相談を募集します。記事は個人が特定できないように配慮いたします。以下よりご応募ください。依頼の際は、筆者からメールでご連絡します。
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岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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