「上司にキレられた」とSNSに書く20代の心理

40代が20代と付き合うときの心得

つまり、若者が職場を「内」だと思えるようにするということが解決策だと思います。事実でもないのに「そういう風に思わせろ」ということではありません。私は、会社は実は同質性が高い「内」だと思っています。それをわかってもらえばよいだけです。

若者が受けてきた教育のプロセスは、個性化のプロセスです。これはいつの世でもそうです。小中学校では文化的統一感や意思疎通を図るために、共通言語として英数国理社を習います。みんな「アンパンマン」「しまじろう」「ドラえもん」です。そして徐々に、専門職を志向したり、文系・理系に分かれたり、法学部や医学部のように職業に直結するような学問を選んで、皆一緒だった同世代の人たちと分かれていきます。大学は分化が最大化し、まさに個性を発揮する、できる時代なわけです。

職場は似た者同士の集まりだと、20代にわかってもらう

ところがそれが就職活動で激変します。個性的に分化していった人々は、また就活というシステムで「適材適所」という名のもと、企業という特定の価値観を同じく信じる人々が集まる組織にそれぞれ入っていきます。つまり、それまでいろいろな場所で磨かれて分化していった人々が、価値観やスキルなどを軸として、再度「似た者同士」で結集するわけです。このことの良し悪しは別として、20代はそれをあまり実感していないようです。企業もその実態と異なり、「個性重視」とか言っているので、実感しないのも仕方ありません。

もちろん個性は大事ですが、ひいてみれば、いろいろな会社が「求める人物像」を掲げて「似た者同士」を集めています。だから、その事実をきちんとわかってもらえるようにすればよいのだと思うのです。職場というところは、どれだけ自分と共通点の多い、腹を割って話しても理解してくれる人が多いのか、と。やり方はいろいろですが、一番大事なことは、上司世代であるオッサンたちが、格好つけずに、自らをさらけ出す、自己開示することではないでしょうか。

文:曽和利光/株式会社 人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)代表取締役社長

1995年 京都大学教育学部心理学科卒業後、株式会社リクルートに入社し人事部に配属。以後人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャーなどを経験。その後ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスの人事部門責任者を経て、2011年に同社を設立。組織人事コンサルティング、採用アウトソーシング、人材紹介・ヘッドハンティング、組織開発など、採用を中核に企業全体の組織運営におけるコンサルティング業務を行っている。
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