会場全体を隅々まで見渡すと、ステージは正面1カ所ではなく、四方に設定されている。ウエイター、ウエイトレスも出演者であるため、レストランの前方、後方、左右はもちろん、テーブルとテーブルの間の通路さえもパフォーマンス用のステージになるようだ。
このレストランの食事は、ギリシャ料理のフルコースだ。ドリンクのみ別オーダーになっている。注文したドリンクが来てしばらくすると、照明が暗転し、ショーが始まった。
この「マンマ・ミーア!ザ・パーティ」の物語は映画とはまったく違う設定で、アバの曲だけはオリジナルの英語のまま歌われるが、物語は英語ではなく、スウェーデン語で進行する。恋愛の物語であることは理解できたが、ストーリーを追うことができず、雰囲気を味わうことしかできないのがちょっと残念だ。
ただし、それで観客を飽きさせることはない。物語はテンポよく進行し、合間で次々とアバのヒット曲が演奏されていく。相席のフィッシャーマンはセリフに反応し、ゲラゲラと笑っている。コメディ要素もちりばめられており、スウェーデン語がわかる人にはストーリーもかなり面白いようだ。
空間を縦横無尽に使ったパフォーマンス
中盤、アバの曲に合わせて、まるでシルク・ドゥ・ソレイユのように宙に舞いながら女性が踊る幻想的なダンスに魅了された。照明も美しく、空間を縦横無尽に使ったパフォーマンスが目の前で繰り広げられるため、かなりの迫力がある。
そしていよいよフィナーレだ。物語は進行したまま、テーブルごとに素早くウエイターがチェックを済ませていく。すべてのチェックが終わると、ウエイター、ウエイトレスがお客さん全員を立たせ、肩を組みながら出演者と一緒に歌いながらステップを踏むシーンが展開される。高揚感もあり、その場の雰囲気に引き込まれて気づくと大声で歌って踊っていた。
飲んで、食べて、歌って、踊って、笑って、ショーは約2時間半で終了した。
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