前回記事「解散後35年『アバの博物館』が大盛況なワケ」でもお伝えしたが、ミュージアムの近くにはアバ関連の施設がまとまって点在しているが、そこからこのレストランまで歩いて1、2分だ。
ショーは午後6時半から始まる。15分前に店に到着すると、すでに入り口には長い列ができていた。客層を見渡すと年齢層は高く、40代から60代くらいがほとんどを占めている。家族連れでやってきたのだろうか、時折10代の姿も見かける。
お店に入った時点で舞台はすでに始まっている
案内されるまま店に入ると、会場内はオリーブの木々、噴水、ブーゲンビリアなどが飾られており、まさにギリシャの海沿いにあるレストランのようなイメージだ。
テーブルも整然と並んでおり、天井が高く、広いビアホールのような感じだ。ウエイター、ウエイトレスが入り口でこのレストランについての説明をしてくれるのだが、その大げさな話し方で、すでにこの時点から舞台が始まっていることに気づく。
ウエルカムドリンクのシャンパンを飲みながら、テーブルへ案内されるのを待っていると、誰かが階段から転げ落ちる音が聞こえた。びっくりして目をやると、男性ウエイターがひっくり返っていた。しかし、すぐに立ち上がりウエイトレスに向かって大声で言い訳をしていたので、その瞬間、これも演出の1つだと気づき、思わず口元が緩んでしまった。
しばらくすると、髭を蓄えた短髪の男性ウエイターがテーブルまで案内してくれた。どうやらここの従業員はすべてが出演者のようだ。
「今日、あなたの友人になる人は、ここにいる2人だ! 仲良くやってくれ!」
そう言われ、相席のテーブルに案内された。どうやら人数が少ない客同士は相席になるようだ。予約の時点であらかじめ人数チェックができるため、座席の割り振りは事前に完了しているのだろう。
テーブルに座っていたのは、スウェーデン北部でフィッシャーマン(漁師)をしているという60代の夫婦だった。妻の方が昔からアバの大ファンだという。早速会話が弾み、自己紹介をしながら運ばれてきた前菜をつまみ、ショーが始まるのを待った。
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