ギリシャ沈没船の「お宝」に考古学界が騒然

世界最古のコンピュータ埋没の可能性も

沈没船から見つかった銅像の腕(写真:Petros Giannakouris/Greek Culture Ministry via The New York Times)

銅像の腕、牛の模様入りの腐敗した円盤、保存状態のいい木版。これらはギリシャ領の小島沖に沈む沈没船「アンティキティラの沈没船」から発見された、ローマ帝国が誕生した頃にさかのぼる遺物だ。

このプロジェクト「リターン・トゥ・アンティキティラ」に携わる海洋考古学者らは10月4日、こうした遺物が、116年前に発見されたおよそ2000年前の沈没船から見つかったとして公開した。今回の探査によって少なくとも7体の銅像が今も海底に残されている可能性が考えられるという。

この時代の銅像は溶かされて刀や盾に作り替えられることが多かったため希少で、完全な状態で現存しているのはわずか50体。もしチームが海底から銅像を引き揚げることができれば、古代芸術品の驚くべき発見となる。

「仮に、あなたが誰も存在を知らなかったレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画7点の存在をつきとめ、それらの発見が目前だとしたらどうか」と、ロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館の古代文化財キュレーター、ケニス・ラパティンは言う。ラパティンはアンティキティラのプロジェクトメンバーではない。「古典考古学者や古代のギリシャとローマの美術を研究している者にとっては、今回の発見はそれと同じようなものだ」。

100年以上にわたり、この沈没船からはオリンピアの神々の銅像や大理石の像など数々の文化財が発見されており、なかでも惑星の動きと月の満ち欠けを再現できるとされる謎に包まれた「アンティキティラの機械」は「世界最古のコンピュータ」とも称される。プロジェクトチームは昨年には人骨も発見し、そこからDNAも回収された。

船の積み荷や木製の骨組みの調査がさらに進めば、船がどこから出航し、どこへ向かっていて、誰が乗っていて、いつ沈没したのかを知る手がかりがつかめるかもしれない。

わずかな財宝

1900年代初頭に海綿を採取する潜水士らがアンティキティラの沈没船を発見した際、銅像の腕が6本見つかった。しかし、7本目が見つかるまでには何十年もの時と新たなテクノロジーが必要だった。

9月の探査の際にチームは、海底の砂の中に埋まったものを見つけるために特注の最先端の金属探知機を使用。ドライバーの1人、アレクサンダー・ソティリオウは水深約49メートルの地点にある堆積物からさらに45センチ以上下に埋まっていた銅像の腕を見つけ出した。

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