あなたのその癖にはどんな意味があるのか 無意識でやっている指鳴らしや貧乏ゆすり

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多くの人は無意識に体を動かす癖を持っている(写真:YakobchukOlena / PIXTA)

なくて七癖と言うけれど、たいていの人は(自覚しているかいないかは別として)何らかの癖を持っている。つま先をトントンと床にぶつけたり、髪の毛を指に巻き付けたり、まばたきしたり頭を上下に動かしたり、爪をかんだり指の関節を鳴らしたり、唇をなめたり肩をすくめたり、あごをなでたり……。

他人にはほとんど気づかれないような癖もあれば、周囲をひどくイライラさせたり、本人のケガのもとになるような癖もある。

ストレス社会で多くなった

学術研究の世界ではこれまで、主にトゥレット症候群や自閉スペクトラム症といった神経行動障害による重度なものに注目が集まっていたが、一方で反復的で非機能的な運動行動が多くの人に見られることや、そうした行動の度合いが心の平穏を測るバロメーターになっていることへの認識も深まってきている。

「このストレス社会のせいで(そうした体を動かす癖が)多く見られるようになったのは間違いない」と語るのは、ニューヨーク大学ランゴーン医療センターの神経外科医、アロン・モガルナーだ。「脳の回路の中の微妙なバランスの問題で、人はその気がないのに物をたたいたりすることがある」。

専門家は反復的で非機能的な運動行動を3つのカテゴリーに分けている(この3つは重複することもあるし、分類の仕方には異論もある)。まず1つ目が「古典的チック」だ。「かかずにはいられないかゆみ」にたとえられるような衝動があり、続いて頭や首、腕がけいれんのように速く動くというものだ。咳払いのように音を伴うものもある。

2つ目は「常同症」と呼ばれ、体を揺らしたり足をひょこひょこ動かすといった、もっとなめらかでリズミカルな動きが特徴だ。通常は前兆となる感覚はない。

そして3つ目が「身体集中反復行動症(BFRB)」だ。爪をかんだり髪を抜いたり皮膚をかきむしるといった、本来なら身繕いに関する行動を、強迫的に繰り返してしまう。

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