ギリシャ沈没船の「お宝」に考古学界が騒然 世界最古のコンピュータ埋没の可能性も
「アンティキティラの機械の一部なら、それは申し分のない発見だ」と、アテネにあるギリシャ文化省の水中遺物部門の責任者アンゲリキ・シモシは言う。「世界中で話題になるだろう」。
海底から語られる物語
全長50メートルほどと推定されるその沈没船は、まるでタイタニックのようだ。大嵐に見舞われて島の断崖に衝突したとみられる。その後、海底に沈み、何度か回転した可能性が高く、財宝などは投げ出されてしまった。以来、2000年の間に地震や地滑りによって古代ギリシャの陶器や芸術品はさらに破壊され、地中に埋まった。
しかし最近の探査では木板と船の骨組みの一部も発見されており、船がどの国のものなのかを突き止めるのにそれらが役に立つかもしれない。
何十年もの間、船は古代ローマのものだと思われていたが、2012年以降の調査で船の装備に使用されていた鉛がギリシャ北部のものであることがわかり、また発見された個人の所有物にはギリシャ人の名前が彫られていたことなどもあり、沈没船をめぐる物語が変化しているとフォーリーは言う。「ローマの船ではなく、ギリシャで建造され、ギリシャの乗組員が乗ったもののようにかなり見える」。
フォーリーによると、チームは木版のサンプルをテルアビブの研究者に送り、木の種類や生息した場所を特定する計画だという。2018年の探査ではさらなる発見があるだろうとフォーリーは明言した。
「舞台は整いつつある。だが真のハイライトはまだ海底にあり、私たちの興味をかき立てている」
(執筆:Nicholas St. Fleur記者、翻訳:中丸碧)
(C) 2017 The New York Times News Services
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